開幕から明大、立大と連続で勝ち点を落とすこととなった早大。ここまでの戦績は勝ち点なし、1勝4敗と苦しい状況だ。今週末は早大にとって今季唯一の連続週となり体力的にも精神的にも厳しいところ。そこで待ち受けるのは東大だ。今季はエース宮台康平(4年)が復調し、慶大に勝ち点奪取まであと一歩のところまで迫るなど、決して侮ることはできない。この一戦で完勝を収め、チームの状態を改善する足がかりとしたい。

 

 投手陣の状態は決して悪くない。第1週、第2週ともに大量失点を許すことなく、それぞれが持ち味を出し安定した投球を見せている。立大2回戦では先発した大竹耕太郎(スポ4=熊本・済々黌)が2回で降板となったものの、球質自体は悪くなかった。また明大戦では精彩を欠いた柳澤一輝(スポ4=広島・広陵)も立大戦では本来の投球を披露。今後の活躍が期待できそうだ。守備面においての課題は、何と言っても勝負どころでの失策である。立大1回戦では、終盤に失策が絡んでまさかの逆転負け。力投を続けていた小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)の足を野手が引っ張るかたちとなってしまった。『守り勝つ野球』を掲げる早大が守備のミスで失点しているようでは、勝利をつかむのは難しい。野手が守備から投手を盛り立てる野球で、無失点に抑えたい。

打率チームトップを走る3番・福岡

 対する東大打線。強打のイメージこそないが、慶大3回戦では14年ぶりに2桁得点となる10点を挙げ好調だ。特に警戒が必要なのは3番・楠田創(4年)。下級生時から東大の主軸を担ってきた楠田の勝負強い打撃は折り紙付きで、今季はここまで打率3割6分8厘に2本塁打とポントゲッターとして機能している。続く4番・田口耕蔵(4年)は長打力があり、一発には注意したい。この二人の前に走者をためないことが重要となるため、1番・辻居新平(2年)、2番・新堀千隼(2年)を確実に切って取れるかが重要となる。辻居はチームトップの打率4割を誇る攻撃的なトップバッター。新堀も慶大1回戦でリーグ戦初本塁打を放つなど好調であり、油断は禁物だ。

 攻撃面では福岡高輝(スポ2=埼玉・川越東)が好調。チームトップ、リーグ5位の高打率を誇り3番打者として申し分のない働きを見せる。また、これまで調子の上がっていなかった佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)や八木健太郎(スポ4=東京・早実)が立大2回戦で安打を放つなど、復調の兆しが見え始めてきた。一方で、昨季主軸としてチームを引っ張った加藤雅樹(社2=東京・早実)は未だ無安打と本来の打撃ができていない。しかし、加藤は春季リーグ戦で宮台から逆方向に2本の本塁打を放った経験がある。宮台との対戦で何としても復調への糸口を見つけたい。佐藤晋、八木、加藤が本来の打撃を取り戻せば、ここから早大打線はさらに勢いづくだろう。そこで気になるのが、サインミスや犠打失敗が散見されていることだ。明大戦、立大戦ともにミスにより好機を逃す場面が見られた。ここでもう一度基本に立ち返り、早大本来の得点の仕方を取り戻したい。

東大はエース宮台が復活を遂げ早大戦での勝ち点を狙う

 東大はエース宮台が長かった不調から抜け出したのが大きい。立大戦では立ち上がりに暴投を連発。自らの制球の乱れにより自滅する結果となった。しかし、翌週は慶大打線を2点に抑え2季ぶりに勝利投手に。制球の乱れで1点差に詰め寄られても、粘り強い投球を披露した。2回戦は濵﨑貴介(2年)の先発が予想される。常時130キロ台後半の直球に多彩な変化球を織り交ぜ、打たせて取る投手だ。接戦で試合を展開していけば、東大の勝利を期待するように神宮は異様な雰囲気に包まれる。回を追うごとに早大へかかるプレッシャーは大きくなるため、早い段階で両先発を攻略したい。

 「まだリーグ戦が終わったわけでない」(佐藤晋主将)。うつむいている暇はない。早大の意地と誇りにかけて--。これ以上エンジのユニホームに泥を塗るわけにはいかない。まずは東大戦で2連勝を飾り、立て直しを図りたいところだ。

(記事 杉山睦美、写真 加藤佑紀乃、大谷望桜)