バドミントンの24年パリ五輪混合ダブルス銅メダリストの渡辺勇大(27)=BIPROGY=が29日、25年の日本代表メンバー入りを辞退していたことを公表した。 経緯については「従来(24年8月まで)の日本代表は協会派遣時、大会負担金(参加料…

 バドミントンの24年パリ五輪混合ダブルス銅メダリストの渡辺勇大(27)=BIPROGY=が29日、25年の日本代表メンバー入りを辞退していたことを公表した。

 経緯については「従来(24年8月まで)の日本代表は協会派遣時、大会負担金(参加料のようなもの)を日本バドミントン協会に選手(所属チーム)が支払うことで渡航費、宿泊費、現地での諸々の手配等を負担いただいていました。しかし、日本バドミントン協会の財務状況の悪化に伴い、強化予算の見直し、強化方針の変更が行われ、24年9月以降は、日本代表であっても世界ランキングの低い選手は自費で遠征をまわらなければならなくなりました」と、説明。「25年の日本代表は協会派遣とそれ以外に区分されました。協会派遣から外れると所属チームや選手個人が遠征費用を負担する必要があり、協会派遣選手は年数回見直される予定とのことですが、具体的な時期等は決まっておらず、状況により入れ替えがない場合もあるとのことでした。今回の代表内定通達の際、日本バドミントン協会から私は協会派遣の対象にならないと通達がありました。私は22年4月よりプロ選手として活動しています。多くの選手は所属先が遠征費を負担するのに対して、自分自身で遠征費を捻出する必要があります。パリオリンピックが終わって以降多くの国際大会を自費負担しており、実際にかかる金額を目の当たりにして活動を続けていくだけでも大変だなと感じています。それと同時に、これまでの日本バドミントン協会のサポート、所属チームやスポンサー、多くの方々からのサポートへの感謝も改めて感じています」と、決断に至るまでの流れをつづった。

 そして「日本代表としての活動は、ユニフォームやプロパティなど様々な制約があります。目指す指標が不明瞭なままこの制約を受けるならば、遠征費を捻出するために少しでもメディア、スポンサー露出やスポンサー活動、国内外イベントに参加できるよう、動きやすくしておいた方がよいと考え、今回は辞退という決断をいたしました」と、説明した。

 渡辺は五十嵐有紗(旧姓東野)との混合ダブルスで21年東京五輪、24年パリ五輪と2大会連続で銅メダルを獲得。パリ五輪後にコンビを解消し、田口真彩(18)=ACT SAIKYO=と新ペアを結成していた。

 日本バドミントン協会は23年度の決算で約1億円の赤字に。懸念された債務超過は回避したものの、24年度は選手強化費の削減などで黒字を目指す方針を示していた。