残り試合で当落線上の選手たちがアピール合戦 優勝が決まっても、熾烈な競争は続いている。2年ぶりにリーグ制覇を果たしたソフ…

残り試合で当落線上の選手たちがアピール合戦

 優勝が決まっても、熾烈な競争は続いている。2年ぶりにリーグ制覇を果たしたソフトバンク。1年を通じて1軍の座を争う厳しいチーム内競争を繰り広げてきたリーグ覇者に、また新たな競争が勃発している。

 それが、10月18日から始まるクライマックスシリーズ・ファイナルステージへの出場枠を賭けた、選手同士の争いだ。工藤公康監督は残り試合の戦いについて「クライマックスに向けて28人をどうやって選んでいくかというところになる」とも話しており、当落線上の選手たちのアピール合戦が続いていくことになる。

 その中でも混沌としてきたのは、先発の座か。

 千賀、バンデンハーク、和田は確定。チームトップの16勝を挙げている東浜が腰の張りを訴えて登録を抹消されたが、これはCSに万全を期すために大事を取ったもの。順調に回復すれば、チームの勝ち頭でもある東浜が、入ってくるのは間違いない。

 CSファイナルステージは最大で6試合。6連戦で行われるために、先発投手は6枚用意するのが基本で、ソフトバンクにとって残る枠は2枠となる。その候補となるのが、武田翔太、中田賢一、石川柊太、そして、リーグ最終盤の9月24日の楽天戦(ヤフオクD)で先発のチャンスをもらったベテラン攝津正だろう。

 まず、有力な候補に挙がるのが武田だが、決め手に欠ける。9月6日のオリックス戦(ほっと神戸)で今季初完封勝利を飾ったが、続く登板となった9月21日の日本ハム戦(札幌D)では5回途中6安打6失点でKOされた。昨季まで2年連続2桁勝利を挙げているものの、右肩炎症のあった今季は安定感に乏しい。日本ハム戦で好投すれば当確となったはずだが、KOされて“追試”を課されることになった。

ダークホースは攝津、4か月ぶり1軍登板で力投

 中田は開幕からローテに入っていたが、不安定な投球が続き、6月に一度登録を抹消。さらには中継ぎへの配置転換などもあったが、先発復帰初戦となった8月24日の西武戦では7回5安打1失点。さらに9月14日のオリックス戦(ヤフオクD)でも5回3安打1失点と、ここ最近の出来は悪くない。

 負傷者続出の中で苦しい台所事情を救った石川は、ここまで8勝をマーク。ただ、9月14日オリックス戦(ヤフオクD)では中継ぎで登板して1イニングを3失点、9月18日の西武戦(メットライフD)でも1イニングで4点を失っており、現時点での状態は良好とは言えない。

 最後の最後に競争に割って入ってきたのが攝津だ。24日の楽天戦(ヤフオクD)は4か月ぶりの1軍での先発。そこで楽天打線を6回まで3安打無失点に封じた。7回にピンチを招き、リリーフが逆転を許したため、9年連続白星とはならなかったが、工藤監督は「攝津くんが素晴らしいピッチングをした」と評価した。

 24日の楽天戦後に、攝津のCS先発候補入りの可能性を問われた指揮官は「投手は13人(先発6、リリーフ7)という中で、これまで投げてきて実績もある人もいるし、ピッチングコーチ陣とも話していきたいなと思います」と答えている。東浜の腰の状態も、先発の行方を左右する。次なる戦い、クライマックスシリーズ。先発の座を掴むソフトバンクの「6人の侍」は誰になるか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)