7回途中2失点に「素晴らしい投球だった」、4か月のファーム生活でどこに変化が? シーズン最終盤で見せたベテランの意地だっ…

7回途中2失点に「素晴らしい投球だった」、4か月のファーム生活でどこに変化が?

 シーズン最終盤で見せたベテランの意地だったのか。ソフトバンクの摂津正投手。約4か月ぶりの1軍先発マウンドとなった24日の楽天戦(ヤフオクD)で、工藤公康監督も「素晴らしいピッチングだった」と認める快投を披露した。

 結果から言えば、7回途中4安打2失点。白星も、黒星もつかなかった。初回は連続三振から3者凡退に仕留めて滑り出すと、走者は出しながらも、楽天打線から凡打の山を築き、6回までわずか3安打、ゼロを並べていった。7回、先頭のペゲーロに四球、島内に左前安打を許したところで降板となり、3番手・嘉弥真が逆転を許したため、入団からの9年連続白星は逃したが、安定感溢れる投球だった。

「丁寧に低め、両サイドに投げることを心がけました。どのボールもある程度思うように操れたと思います」とコメントした摂津。約4か月間に及んだファーム生活で、どこに変化があったのか。

 この日の投球を見た工藤監督は「スライダー(カットボール)を新しく投げるようになったのもありますし、コントロールが良くなってきた。ボールが操れるようになったのが1番大きいところじゃないでしょうか」と、好投の要因を分析した。

「今後の彼の野球人生にこのピッチングが生きる」

 摂津の最大の武器といえば、正確無比なコントロール。だが、今季はそのコントロールが微妙に狂った試合が多かった。4月29日のオリックス戦(京セラD)で3回6安打4四死球で6点を失っただけでなく、四死球は少なくても、際どいボールがわずかにゾーンを外れてカウントを悪くし、自らを追い込んでいく場面が目についた。

 この日は、打者の両サイドを丁寧につき、真っ直ぐ、カーブ、シンカー、カットボールを左右高低に投げ分けた。ストライク先行でカウントを整えていき、6回まで三塁を踏ませなかった。

 5月24日のロッテ戦(ヤフオクD)から4か月。35歳となった摂津は若手に混じって汗を流してきた。「この4か月間しっかり2軍でやってきたものがピッチングの中に出ていたと思う。気持ちも、1球1球大切に投げているように見えました。今後の彼の野球人生にこのピッチングが生きるんじゃないかと思います」と工藤監督。クライマックスシリーズに向けて“摂津健在”を指揮官にアピールするマウンドになったのではないだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)