NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB2025年1月11日(土)14:40 岐阜メモリアルセンター 長良川競技場 (岐阜県)トヨタヴェルブリッツ 32-18 リコーブラックラムズ…
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年1月11日(土)14:40 岐阜メモリアルセンター 長良川競技場 (岐阜県)
トヨタヴェルブリッツ 32-18 リコーブラックラムズ東京
トヨタV、待望の初勝利。自分たちのラグビーを信じ抜いた先につかんだ歓喜の瞬間
プレー以外のところでも意識的に仲間を鼓舞していた、トヨタヴェルブリッツの髙橋汰地選手
試合前日に降った雪が残る岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われたトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)対リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)の一戦。結果は32対18でトヨタVが勝利し、待望の今季初白星を挙げた。
前半のトヨタVは守勢に立たされ、開始11分で10点を先行される苦しいスタートに。その後はイエローカードにより14人で戦う時間帯もあったが、体を張り続けてそれ以上の失点は防いだ。人数がそろってからは攻めに転じたものの得点にはつなげられず、前半を0対10で折り返した。
それでも、勝負の後半に向けて髙橋汰地は「やることは基本的には変わらない。自分の役割をきちんと遂行することが大事」だと自分たちのラグビーを信じて再びグラウンドに入る。すると後半4分に味方がつないだパスを受けて疾走。右スミギリギリに飛び込んで懸命に手を伸ばす。この執念のトライがトヨタVの勢いを点火させた。
その後はシーソーゲームの展開となるが、後半31分にはキックパスをうまくキャッチしたシオサイア・フィフィタをサポートし、髙橋がこの日2本目のトライを挙げて逆転。チームの勝利に貢献してみせた。
プレー以外のところでも髙橋は熱かった。意識的に仲間を鼓舞するようなアクションを行い、チームの士気を高めた。「もっと盛り上げたほうがいいかなと思って。フォワードが頑張ってくれていたので、労おうかなと。スクラムを組んでいるときは僕ら暇なんで(笑)。流れが悪いときは元気を出して、良いときはもっと褒めていく。チームのために自分ができることはないかを考えて、意識的にやっています」。
開幕から勝利がなかった期間でも髙橋は「自分たちのやっていることは間違っていないと思っていたし、改善すべきところを一つひとつ取り組んでいこうと話し合っていたので、チームの雰囲気は全然悪くなかったです」と振り返る。決して結果だけに一喜一憂せず、目の前の取り組むべきことにフォーカスして準備してきた結果が勝利を呼び寄せた。
(齋藤弦)
トヨタヴェルブリッツ
トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ(左)、彦坂圭克選手
トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ
「まず、本日の結果に関して、選手の努力を非常に誇りに思いますし、満足しています。これまでやってきたハードワークが結果につながったことで、皆さまに笑顔を届けられたことをうれしく思います。また、ボーナスポイントを獲得したことも非常に良かったです。とはいえ、また来週の月曜日からチームとして積み重ねを行っていきたいと思っています。
残念ながら姫野(和樹)が本日欠席となっていますが、ひざのけがというところがあります。詳細については分かっていませんので、より明確になり次第、お伝えできればと思っています」
──前半は硬い入りだったと思いますが、原因はどこにありますか?
「ラグビーというのはやはり、勢いに傾きがあるスポーツだと私自身理解をしています。リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)さんは、試合の序盤、非常に良くプレーし、ベースの部分で相手にトライを取られてしまうようなところがありました。
とはいえ、われわれはイエローカードなどもあった中で苦しい場面を切り抜け、トライを防ぎながら得点できるところまでゲームを展開することができたと思っています。メンタルの面ではそういった改善が見られましたし、スコアボードを気にせずにチームとして戦い続けることができたと思っています。また、終盤には勢いを付けて得点することができました。BR東京さんのパフォーマンスが良い部分で試合の序盤に勢いを渡すことがありましたが、そういった部分に関してチームとしては今後の伸びシロであると考えています」
トヨタヴェルブリッツ
彦坂圭克選手
「スティーブ(・ハンセン)と同じことになりますが、まず今季初勝利を挙げることができて良かったです。今季は良いスキルとストラクチャーを積み重ねてきて、ようやく精度や実行力が付いてきたと思います。まだまだシーズンは長いので、ここからも積み重ねていい結果が得られるように頑張っていきたいと思います」
──追いかける展開の中で、焦りなどはありましたか?
「あまりそういった焦りはなかったです。クロスゲームになることは分かっていたので、そういったときのマインドセットやチーム全体としての戦い方をシミュレーションして準備していたので、落ち着いていました」
リコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京のタンバイ・マットソン ヘッドコーチ(左)、松橋周平 共同バイスキャプテン
リコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ
「最後の20分でスコアされたところはかなりダメージがあるかなと感じています。リーグのレベルが高いぶん、ミスをすれば大きなダメージがあるということがあらためて分かりました。それでも前に進み続けなければいけないですし、部分的には良いパフォーマンスができました。バックフィールドのところは少し整理が必要だと思いますが、来週に向けて取り組んでいきたいと思います。ヘッドコーチとしてはやはりとても残念です。負けたあとはネガティブになりがちですが、それでも良いパフォーマンスを見せてくれた選手もたくさんいます。コーチとしてはこの先もポジティブなマインドで進めていきたいです」
──後半にスコアを重ねることができなかった要因は何でしょうか?
「ゴールライン(トライライン)付近でトライを取り切れなかった場面が2回ほどあったと思います。そういったエリアの近くでエラーがあると、やはり勝敗には大きく影響するのかなと思います。そういったシーンで得点を重ねていればまた違った展開になったかもしれないですね」
──中楠一期選手にアクシデントがありましたが影響はありましたか?
「10番が出られなくなると必ず難しい試合展開になってくると思います。TJ(・ペレナラ)とのコネクションも良くなってきたところでしたから。ただ、幸運なことに(伊藤)耕太郎がウチにはいて、彼も若い10番の選手ですので、そのまま彼(中楠)のところで起用しました」
リコーブラックラムズ東京
松橋周平 共同バイスキャプテン
「今日はありがとうございました。まず、岐阜という地で、みなさんの前で試合できたことは良かったと思いますし、今週自分たちがすごく良い準備をしてきたつもりではありましたが、ヘッドコーチが言ったとおり、後半20分あたりから徐々に崩れてしまいました。簡単なミスからトライを与えてしまって、そこからコネクションが切れてしまったと感じています。前半はフィジカルに戦えていて、もっとスコアを重ねていければというシーンもありましたが、後半に僕らの弱みをしっかりトヨタヴェルブリッツさんが突いてきたのが敗因かなと思っています。また次の仕事が始まるので、明日しっかりリカバリーして、月曜日から強いマインドセットで、クボタスピアーズ船橋・東京ベイさんを倒すために全力を尽くすだけです。僕はリーダーとしてチームを引っ張っていけたらなと思います」
──後半20分以降からディフェンスが課題となっていたように見えましたが、いかがでしょうか?
「相手がダイレクトにくるぶんには僕たちは問題がなかったですけど、後半にボールを回し始めて、その中から裏のスペースにボールを蹴られたときに、そこのカバーができなくて、そのまま相手ボールになってトライを取られてしまうという展開でした。その部分はしっかり修正さえすれば、あとは問題ないかなと思います」