FA市場で最大の注目を浴びるダルビッシュは「依然優秀」 今オフ、メジャーリーグのフリーエージェント(FA)市場はダルビッ…
FA市場で最大の注目を浴びるダルビッシュは「依然優秀」
今オフ、メジャーリーグのフリーエージェント(FA)市場はダルビッシュ有投手を中心に動くと見られている。6年契約の最終年の今季、レンジャーズ、ドジャースの2チームで30試合に登板して9勝12敗、防御率3.96。苦しんだ時期もあったが、依然として評価は高い。
また、日本ハムの大谷翔平投手はポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦に踏み切る可能性もあり、米メディアの報道はすでに過熱気味。MLB球団のスカウトも、大谷の先発ゲームに大挙して視察に訪れている。現行のポスティングシステムでは、2000万ドル(約22億4000万円)の譲渡金を支払う全てのチームと交渉が可能であるという点で、実質、FAと変わりはない。23歳の大谷の場合は、新労使協定のもとではマイナー契約しか認められず、大金がかかることはないため、大争奪戦に発展すると見られている。その去就は、FA市場にも大きな影響を与えそうだ。
米メディア「ブリーチャー・レポート」では、今オフ注目のFA選手がそれぞれどのチームにフィットするかを検証した特集記事を掲載。ダルビッシュ、大谷の名前も当然、登場している。
ダルビッシュについては、ブレーブスが獲得すべきと記事では訴えている。「ブレーブスは虎視眈々と一線級の先発投手獲得に動いている。過去にはクリス・セール、ホセ・キンタナ、ソニー・グレイ、クリス・アーチャーといった選手の獲得に動いており、大型トレードを獲得するためのプロスペクトも取り揃えている」と指摘しつつ、「しかし、可能であればそういった若手選手を手元に残しておきたいというのも間違いない」と言及。そこで、トレードのように若手選手を放出せず、FAで獲得できるダルビッシュが最適というわけだ。
大谷は「特筆すべき二刀流選手」、「資金力のある環境に加わることが現実的」
「解決方法、それはダルビッシュの様なFA市場での大物投手の獲得だ。今季は9勝12敗、防御率3.96と、決してエース級の数字ではないが、成績自体はWHIP(1イニングあたりのヒット+四球)1.20、179回2/3で200奪三振と依然優秀だ」
このように評価した上で「5年1億ドル(約112億円)規模の契約がおそらく基準となる」と予想。最後は「ブレーブスはあと数年は上位争いの準備に時間がかかるかもしれない。しかし、積極的なトレード市場での動きから、彼等が大物を獲得しようとしていることは明らかだ」と結論づけている。
そして、大谷がフィットするとされているのは、メジャー随一の名門球団だ。「特筆すべき23歳の二刀流選手は、25歳を迎えるまではボーナス・プール・システムに該当する。これにより大谷にとっては契約規模は限られたものになり、全30球団にとっては現実的なオファーを出すことが可能になる」。寸評では、大谷獲得に大金がかからないことを強調した上で「様々なことが起こりうる。しかし、彼の市場性を最大化させることを考えると、資金力のある環境に加わることが現実的だろう」と指摘。さらに、二刀流での起用を考えると、ア・リーグ球団が有利との見方を示している。
「カブスとドジャースが熱心なアプローチを見せるなか、DH制があり、大谷の打撃面を活かした上で右腕を守ることができるア・リーグの球団こそが、より現実的だろう。こういった内容から、ヤンキースが大金を投じて大谷の獲得に動くのはパーフェクトなことだろう」
現在は、田中将大投手が所属するヤンキース。過去にも、多くの日本人選手を獲得してきた。「伊良部秀輝、井川慶といった選手の獲得での失敗は躊躇する理由にもなるが、ヤンキースはその後松井秀喜の獲得で成功を収めている」。記事では、このように言及しており、ブライアン・キャッシュマンGMも札幌ドームに視察に訪れるなど本腰を入れている超名門球団が“大谷獲り”をかなえられるか、注目が集まるところだ。
大谷が本当にメジャー挑戦に踏み切れば、日本だけでなく、米国でも、今オフに2人の日本人選手が話題の中心となることは確か。争奪戦の行方に注目が集まる。(Full-Count編集部)