和田さんと城島CBOがテレビ収録で会談「本当にこの男は大したもん」 昨季限りで現役引退した和田毅さんと、ソフトバンクの城島健司チーフベースボールオフィサー兼会長付特別アドバイザー(CBO)が5日、福岡市内でテレビ収録に臨んだ。22年間のプロ…
和田さんと城島CBOがテレビ収録で会談「本当にこの男は大したもん」
昨季限りで現役引退した和田毅さんと、ソフトバンクの城島健司チーフベースボールオフィサー兼会長付特別アドバイザー(CBO)が5日、福岡市内でテレビ収録に臨んだ。22年間のプロ生活を終えた左腕をねぎらった城島CBOは、2004年アテネ五輪の3位決定戦で好投した和田の姿勢について、「本当にこの男は大したもんだと思った」と絶賛した。
2人が出場したアテネ五輪は準決勝でオーストラリアに0-1で敗れ、日本は3位決定戦に回った。銅メダルがかかった一戦の先発を託された和田さんについて、城島CBOは「予選から全勝で優勝して、金メダルを取らなきゃいけないっていう中で、準決勝で負けてからの夜の過ごし方と、その試合に臨むまでの姿勢。俺、本当に毅のこと心配したもん。大丈夫かなって。それでもよう投げた」と振り返った。
カナダ打線相手に5回4安打6奪三振2失点と試合を作った和田さんの投球もあって、日本は11-2で勝利。銅メダルを獲得した。和田さんはオーストラリアに負けた試合後の雰囲気について「お通夜でしたよね」と言及。「みんなで食堂に集まったんですけど。ジョーさんが、毅も来いって言ってくれたんですけど、誰も言葉を発しないんです。『これ誰がしゃべるんだろう』みたいな。すごい沈黙がずっとあって。宮本慎也さんが『3位を絶対取りに行こう』と言って、そこにいるメンバーも『よし』っていく空気になりましたね」と舞台裏を明かした。
城島CBOは3位決定戦について「ちょっと独特な雰囲気だった」と説明。その上で、「あんまり褒めんけど、あれは大したもん。よう投げたなと。俺がピッチャーだったら投げたくないなって思った。2度と経験したくない」と冗談を交えながら後輩左腕を持ち上げた。和田さんも「あの時のプレッシャーは、本当に経験したことがない。吐き気じゃないですけど、気持ち悪くなるくらい。アテネの時の結果がどうだったか、どうやって抑えたかとか全然覚えていないんですよ」と極度の重圧があったことを明かした。
城島CBOは「そういう経験した人ってなかなかいないからね。やっぱり若い選手に経験したことを伝えてほしいなって思う」と強調。球団フロントの立場として、現役引退した左腕に“現場復帰”を促すと、和田さんは「今は(首脳陣として)ユニホーム(を着る)よりは、フロント側の……」と返答。城島CBOが「後釜できたやん」と豪快に笑うと、左腕は「いやいやいや……、(CBOに)就任したばっかりですよ」と笑みを浮かべた。
2人が出演した「和田毅×城島健司 18.44 未来へのバッテリー」は、21日午後7時からテレビ西日本で放送される。(長濱幸治 / Kouji Nagahama)