世界最高峰のスポーツエンターテイメントであるNBAは、その商業性から選手に多額の給与が支払われているのは周知の事実だろう。特…

 世界最高峰のスポーツエンターテイメントであるNBAは、その商業性から選手に多額の給与が支払われているのは周知の事実だろう。特に球団の顔となるスター選手たちはマックス契約を提示され、今シーズンのサラリーランキングでトップに立つステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、年俸約5580万ドル(約88億1000万円)を受給している。

 しかし、最近こうしたオールスター級の選手たちが犯罪者たちによる窃盗のターゲットになっている。『The Dallas Morning News』によると、リーグの新たな顔の1人であるルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)の自宅が強盗被害に遭い、約3万ドル(約470万円)相当の宝石類が盗まれたという。

 事件が起きたのは、12月28日(現地時間27日)。ドンチッチはこの日、フェニックス・サンズ戦を皮切りに始まる西海岸への遠征に出発しており、自宅を不在にしていた。ダラスの地元警察は、通報を受けて犯罪現場チームが出動。報告書によれば、ドンチッチの自宅は民間警備会社が監視しており、午後5時から9時の間に身元不明の人物が主寝室にあるバスルームの窓を壊して自宅に侵入したという。

 ドンチッチのビジネスマネージャーは「事件発生当時、家には誰もおらず、幸いにもルカと彼の家族は無事でした。ルカは警察に被害届を提出し、捜査が続いております」と報告。

 一方、相次ぐ選手および関係者の被害を受けて、リーグ広報は以下のコメントを発表している。

「ルカと彼の家族が強盗事件当時に自宅におらず、無事だったことは不幸中の幸いです。標的を絞った強盗の手口は、我々全員の不安を駆り立てます。NBAのセキュリティ部門は、チームや選手協会、連邦当局、地方当局と緊密に連携し、全面的なサポートを提供しています。選手と彼らの家族の安全は、我々にとって最重要事項と考えています」

 最近では、ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス)とセルティックスのアミール・ジェファーソンACも空き巣被害に遭い、後者は昨年のチャンピオンリングを盗まれている。また、今年9月にはマイク・コンリー(ミネソタ・ティンバーウルブス)、11月にはボビー・ポーティス(ミルウォーキー・バックス)にも同様の被害が確認されており、スター選手たちの不在を狙った犯罪が後を絶たない。

 リーグは、強盗被害が組織的な南米の窃盗団によるものだとFBIから報告を受けており、彼らの手口は非常に巧妙で、犯罪にはドローンや信号妨害装置などを使用した高度なテクノロジーが使用されているといい、主に高級品などの金品や現金を盗み出している。

 NBAは選手たちに対して、標的にされるリスクを軽減するために予防策や自宅のセキュリティ対策を実施するよう指示。また、ソーシャルメディアにおいては位置情報が確認できる情報、日々の活動、高価な物品が映り込んでいるものを投稿しないよう、使用方法についても注意喚起がなされている。

 遠征が付きもののNBA選手にとって、自宅の不在は避けられない。FBIと警察による捜査により、これら一連の事件が根絶されることを祈るばかりである。

文=Meiji