【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【クワイエットアメリカン】 ドクターフェイガー、ファピアノ、アンブライドルドと同じく米フロリダ州のタータンファームで誕生しました。現役時代…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【クワイエットアメリカン】
ドクターフェイガー、ファピアノ、アンブライドルドと同じく米フロリダ州のタータンファームで誕生しました。現役時代にNYRAマイルH(米G1・ダ8ハロン)を1分32秒4/5という好時計で圧勝。種牡馬としても米二冠馬リアルクワイエットなどを出して成功しました。
ドクターフェイガー3×2と、セキーロ4×3という牝馬クロスを併せ持つので、キラロー≒デミュア2×1と表現することもできます。この異様な凝縮の影響か、母方に入ったときに素晴らしい効果を発揮し、バーナーディニやセイントリアムの母の父、ガンランナーの2代母の父など、現代の重要血脈の要所に含まれています。
パレスマリス産駒でわが国の重賞を勝ったジャンタルマンタル、ノーブルロジャーは、いずれもクワイエットアメリカンを抱えています。今年のBCクラシックの1、2着馬、シエラレオーネとフィアースネスにもクワイエットアメリカンは含まれています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「三大始祖以外でビッグレースを勝った馬はいますか?」
イギリスのクラシックレースでは、オルコックアラビアンの直系子孫エイムウェル(Aimwell)が1785年に第6回英ダービーを勝ちました。三代始祖以外のサイアーラインから誕生した馬が英クラシックを勝ったのはこの一例のみです。
現在まで続く最古の重賞ドンカスターCでは、ブラディショルダードアラビアンの直系子孫リバティ(Liberty)が1770年に勝っています。
王室主宰のロイヤルプレートでは、セントヴィクターズバルブの直系子孫ストックトン(Stockton)が1803年にドンカスターのキングズプレートを勝っています(単走)。開催年としてはこれが最も遅い例ではないかと思います。
三大始祖以外のサイアーラインは、イギリスだけでなくアメリカでも19世紀前半までごくわずかに残っていましたが、その後、完全に途絶えました。