NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン3 第1節2024年12月22日(日)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)ルリーロ福岡 vs ヤクルトレビンズ戸…
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第1節
2024年12月22日(日)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs ヤクルトレビンズ戸田
ルリーロ福岡(D3)
リーグワン初参戦。
雑草軍団の“魂”をいま見せるとき
ルリーロ福岡は、倒されてもすぐに起き上がる、抜かれたらすぐ戻る、といったラグビーの本質にこだわるスタイルで戦う
NTTジャパンラグビー リーグワンに初参戦するルリーロ福岡(以下、LR福岡)の新たな挑戦が始まる──。
チームの目標はディビジョン2への昇格と明確だ。選手の待遇や練習環境など他チームと比べて恵まれた環境ではない中、知恵を絞りながら結果を追い求める。
チームの始動は10月。総勢72人のチームを編成し、選手とコーチが一体となって練習を重ねてきた。「選手に主体性を持たせる形で進めた」と語る豊田将万ヘッドコーチは、時間管理や練習方法の調整を工夫し、全員が役割を理解できる環境を整えてきた。大所帯ゆえにマネジメントは難しいが、選手それぞれが目的意識を持ち、自覚を促すことを重視してきた。
LR福岡は『ラグビーの本質』にこだわるスタイルが特徴だ。派手さはないが、『倒されてもすぐに起き上がる、抜かれたらすぐ戻る』といった誰もができる基本を徹底する。『これをやれば勝てる』という特別な武器がないからこそ、一つひとつのプレーに全力を注ぐ姿勢がチームの強みだ。プレシーズンを通じて、この考え方は徐々に浸透してきた。「試合に出られるのは基本を徹底できる選手だけ」と豊田ヘッドコーチは選手選考の明確な基準を設け、強度の高い練習と試合を重ねながら成長を続けてきた。
ホームで迎える開幕戦の相手は、昨年度の『3地域社会人リーグ順位決定戦』で1点差負けを喫したヤクルトレビンズ戸田。選手たちにとってリベンジマッチとなる。開幕戦は「リーグ戦15試合の中の1試合」(豊田ヘッドコーチ)と冷静さを保ちながらも、歴史に刻まれる重要な試合であることを選手たちは意識している。
高校の運動場を借りた土の練習場を車のライトが照らす。もちろんクラブハウスはなく、シャワー室もない。練習後は水で土を洗い流す。整った環境とは言えないが、「環境のせいにせず、ラグビーそのものの価値を示したい」とするチームの姿勢は、特定の母体企業を持たない地域密着型チームの希望となるだろう。
LR福岡の挑戦は始まったばかりだ。勝利への執念、チームの成長、そして選手たちの熱意──それらが一体となったとき、LR福岡は新たな歴史を刻むだろう。開幕戦では、そんな雑草軍団の“魂”がフィールドで輝きを放つ瞬間が見られるはずだ。
(柚野真也)