残り10周のレース最終盤、ランボルギーニと44歳ベテランドライバー小暮卓史が、逆転チャンピオンをかけた超接近戦バトルを制し、見事首位に浮上した。【映像】超接近!背後に“ピタリ”→首位浮上の瞬間 三重県の「鈴鹿サーキット」で開催されたスーパ…
残り10周のレース最終盤、ランボルギーニと44歳ベテランドライバー小暮卓史が、逆転チャンピオンをかけた超接近戦バトルを制し、見事首位に浮上した。
三重県の「鈴鹿サーキット」で開催されたスーパーGT最終戦 決勝(第5戦 延期分)。GT300クラス VENTENY(#88 Lamborghini GT3)が劇的ポールトゥウィン。逆転チャンピオンに輝いた瞬間が12月13日放送の『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』でピックアップされた。
レース中盤、ライバル勢がタイヤ無交換作戦でレースを進める中、88号車はピットインでリアタイヤ2本を交換する作戦を選択し、首位から順位を落としたものの、44歳のベテランドライバー小暮卓史のもとで気迫あふれる追い上げを見せる。
レースは37周目、88号車は3位に位置していたapr(#31 LC500h GT)を第1コーナーでオーバーテイクすると、首位を走るmuta Racing(#2 GR86 GT)を視界にとらえる。優勝を飾ることができれば、ドライバーズランキング首位のLEON PYRAMID(#65 AMG)の結果次第で、逆転チャンピオンが見えてきたこの場面。「モチベーションが上がってきました。タイヤのことを忘れてプッシュしました」とスタジオで振り返った小暮の言葉通り、88号車はさらに勢いを上げて、2号車を猛追した。
38周目では5秒以上あった2号車との差を、わずか2周後の40周目セクター3で1秒台に縮める。圧巻のドライブに、相棒の元嶋佑弥も「何のスイッチが入ったんだろ。すげぇ、やっぱこういうところ」と驚きを隠せなかった。
レースは残り10周、ついに小暮が2号車を射程距離に収め、勝負に出るかと思われた……しかし、小暮はここまでの攻めた走りとは一転して、慎重な走りを見せた。すぐに勝負には出ず、冷静に絶好のチャンスを伺う。付かず離れず距離を保ちながら、まさに超一流の”煽り運転”のような、勝負に出るタイミングを悟らせない走りで展開を進めると、ついに、最終コーナーで勝負に出た。2号車のテールに鼻先が触れるスレスレのアタックが映し出されると、実況のサッシャ氏も思わず「うわぁ!」と声をあげる。そして次の瞬間にはサイドバイサイド。ホームストレートで2号車を完全に捉えると、ランボルギーニの圧倒的な加速力で見事オーバーテイクに成功し、首位に浮上した。
そのまま88号車は首位でフィニッシュし、見事な3連勝で今シーズン4勝目を飾った。
65号車の結果次第となったチャンピオン争いは、ガレージを飛び出した元嶋が見守る中、65号車が4位でフィニッシュ。この瞬間、88号車のシーズンチャンピオンが確定し、元嶋はスタッフたちと熱い抱擁を交わした。同番組スペシャルサポーターの朝日奈央が密着していたガレージでも涙と笑顔が溢れる、感動的な歓喜の瞬間が広がっていた。
スーパーGT30周年という節目にして、初年度から参戦しているランボルギーニの初タイトル。史上3人目となるGT500・GT300“両クラス制覇”を達成し、生きる伝説となった小暮卓史は、この逆転優勝について「ここ数年で一番感動しましたね。嬉しかったですし、元嶋がガン泣きしていたので、やはりもらい泣きしますね」と括った。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)