浅野は満塁弾を放つなど、今季存在感を示した(C)産経新聞社 今オフ、FA戦線に積極的に乗り出していた巨人は、獲得に乗り出していた石川柊太のロッテ入りが決まったことで、阪神に残留が決まった大山悠輔に引き続き、2連敗となった。【関連記事】巨人入…

浅野は満塁弾を放つなど、今季存在感を示した(C)産経新聞社

 今オフ、FA戦線に積極的に乗り出していた巨人は、獲得に乗り出していた石川柊太のロッテ入りが決まったことで、阪神に残留が決まった大山悠輔に引き続き、2連敗となった。

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 残るは石川と同じくソフトバンクからFA宣言、獲得を目指している甲斐拓也の判断に注目が高まる。
 
 またチームにおいては来季の課題の一つに今季15勝とリーグ最多勝に輝いた菅野智之がメジャー挑戦で海を渡ることで、エースの穴をどう埋めていくのかも焦点となる。

 ただ、この点においては先発ローテーションの軸を務めノーヒットノーランも達成した戸郷翔征、成長が認められる山崎伊織などのほかにもドラ1右腕、堀田賢慎、赤星優志、日本人左腕では侍ジャパンでも存在感を発揮した井上温大、横川凱、シーズン終盤に先発した西舘勇陽、社会人出身左腕の又木鉄平など若手の有望株も多い。

 今季のチーム防御率はリーグトップの2.49と大きく改善したこともあり、菅野の15勝を複数で埋めると考えれば、そこまで心配する必要もなさそうだ。

 逆に喫緊の課題として浮上するのは打線の底上げだろう。

 今季はシーズン通して得点力不足に悩まされた。チーム打率はDeNAに次ぐリーグ2位の.247ながら総得点はリーグ4位の「462」に甘んじた。

 9月25日のDeNA戦では球団ワーストを更新するシーズン20度目となる完封負けを喫するなど、低迷する打線に悩まされ続けた。

 来季リーグ連覇、届かなかった日本一にリーチするためのピースとしては主砲の岡本和真に続く、ヤングジャイアンツの本格覚醒が待たれる。

 今年夏場に存在感を発揮したのは22年ドラフト1位外野手、浅野翔吾だ。

 今季は開幕1軍を勝ち取るも、結果が出ずに4月初旬に降格。ファームで研鑽を積み、8月中旬に1軍再昇格を果たすと、合流直後となる、8月14日の阪神戦でプロ初の満塁弾を放ったことも話題を呼んだ。1試合4安打マークする試合もあるなど、大暴れ。40試合に出場、打率.240、3本塁打、18打点と来季への足がかりを見せた。
 
 また、走攻守がそろった次世代のスター候補として期待を集めるのは浅野と同期入団、ドラフト2位外野手の萩尾匡也だ。

 プロ2年目の今季は打率.215、2本塁打、12打点。9月下旬にプレー中の負傷で故障離脱となるもポストシーズンではチームを鼓舞する、声出し役としても存在感を発揮した。
   
 浅野、萩尾は岡本、坂本勇人、長野久義の系譜に続く強打の右打者としてさらなる覚醒が期待されている。

 さらにチームには伝統の背番号「55」を継いだロマン砲、秋広優人、オコエ瑠偉、たくみなバットコントロールも光る佐々木俊輔など今後が楽しみな野手も多い。

 守りの野球を掲げ、目指すリーグ優勝を果たしたチームにおいても、来季に向けては原点回帰の「打ち勝つ野球」も求められるピースとなる。果たして就任2年目となる阿部監督がどのようにチームデザインを描いていくのかも注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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