阪神・佐藤輝明内野手(25)が11日、来季の盗塁増に意欲を燃やした。来春キャンプで臨時コーチを務める球団OBの赤星憲広氏(48)が「サトテルは走れる」と潜在能力を高く評価していることを伝えられ、「もっと盗塁を増やしたい」と呼応した。今季は…
阪神・佐藤輝明内野手(25)が11日、来季の盗塁増に意欲を燃やした。来春キャンプで臨時コーチを務める球団OBの赤星憲広氏(48)が「サトテルは走れる」と潜在能力を高く評価していることを伝えられ、「もっと盗塁を増やしたい」と呼応した。今季はプロ初の盗塁0に終わったが、盗塁以外の走塁での貢献度を示す指標「アルティメットベースランニング(UBR)」は12球団4位の6・0を記録。データに裏付けされた走力で真価を発揮する。
走塁センスは抜群。思い切りもいい。3年連続でキャンプ臨時コーチを務める赤星氏が「サトテルは走れる。抜け目のないところを持っている。隙あらばというか」と絶賛する可能性を秘めている。ただ、今季はプロ初の0盗塁。不完全燃焼の4年目シーズンを終え、佐藤輝がレジェンドの言葉に力強く呼応した。
「そうですね。盗塁は今年できなかったので。盗塁を増やしていければ、もっともっとチームにいいことがあると思うので頑張ります」。来季の盗塁増へ、意欲満々だ。
来春も「赤星塾」で金言を授かるつもりだ。過去2年は技術だけでなく理論も吸収してきた。中でも「焦りすぎるのはよくない」という助言が印象に残っているという。
「ノーアウト、ワンアウトの時は『一瞬判断を遅らせても正しい判断をした方がいい』と。ツーアウトなら当たった瞬間ゴーですけど、それ以外は一瞬考える時間をつくって正しい判断をするというのはすごく参考になりました」
佐藤輝の走力の高さはデータに証明されている。球団スタッフによると、走塁での貢献を得点化した指標「アルティメットベースランニング(UBR)」で、今季の12球団規定打席到達者の中で4位の6・0。1位・近本の9・1、2位・中野の9・0、3位・矢野(広島)の6・1に次ぐ数値をたたき出し、リーグ13位だった昨季の1・9から大きく数字を伸ばした。同スタッフも「今年は積極的な走塁で得点に絡んでいた。貢献度は高かった」とお墨付きを与える。
例に挙げたのは8月8日・ヤクルト戦(神宮)の走塁だ。四回、無死から四球で出塁した佐藤輝は大山の三ゴロで一塁から一気に三塁を陥れた。フルカウントからスタートを切っていただけでなく、三塁ベースから少し離れていた村上の隙を見逃さなかった。試合後、岡田監督が「あの走塁もな(大きかった)。意識の問題や」と手放しでたたえる好走塁だった。
「今年も走塁の数値は良かった。サインが出たら、サイン通りいくだけなので」。佐藤輝は少し得意げだ。プロ2年目には11盗塁をマーク。もともと走塁に対する意識は高い。打って守って来季はもっと走る。“赤星イズム”を吸収し、テルらしいダイナミックなプレーでファンを魅了する。
◆アルティメットベースランニング(UBR) 盗塁、盗塁死を除く走塁での貢献を得点化した指標。平均的な走者と比べてどれだけ多く走塁で得点を生み出したかを表している。安打の際の進塁、タッチアップ、併殺崩しなどが評価の対象となる。