飲酒の機会が増える年末。ついつい飲みすぎてしまうのが心配……という方も多いのではないでしょうか? 今回は、お酒の飲みすぎが招く健康リスクや、上手にアルコール摂取量を減らす方法をご紹介します。【関連記事】過剰な飲酒はろくなことがない・・・先…
飲酒の機会が増える年末。ついつい飲みすぎてしまうのが心配……という方も多いのではないでしょうか?
今回は、お酒の飲みすぎが招く健康リスクや、上手にアルコール摂取量を減らす方法をご紹介します。
【関連記事】過剰な飲酒はろくなことがない・・・先ずは隗より始めよ。
1.飲みすぎが招く健康リスクとは
アルコールは、からだのさまざまな部位に影響を与えます。たとえば、肝臓に深刻なダメージを与え、アルコール性肝炎や肝硬変などを発症する原因になります。
また、高血圧、不整脈といった循環器系疾患のリスクを上昇させることも。心不全、脳出血などのリスクを増加させるともいわれています(※1)。
そして、脳への影響はアルコール依存症が挙げられます。適切な飲酒量で抑えることができず、多量飲酒(目安は1日6杯を超える摂取量(※2))をして、生活に支障が出てしまうのがアルコール依存症です。
また、急性アルコール中毒になると、嘔吐、血圧低下、意識障害のほか、最悪の場合は命に関わる場合もあります。
2.飲みすぎを防ぐ4つの秘訣
このように、お酒の飲みすぎは、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。ここからは、そんな飲みすぎを防ぐための4つのポイントについてご紹介します。
2-1.1杯の量を少なくする
宴会の場では、なるべく容量の少ないグラスのドリンクを選びましょう。
1杯の量を減らすことで、飲酒量を調節できることが、ある調査で明らかになっています。イングランドの酒類販売許可施設でグラスワインの大きいサイズ(250ml)の販売をやめたところ、1日あたりのワインの販売量が7.6%減少したといいます(※3)。
ジョッキよりグラスを選ぶ、あるいはグラスの中でも小さめのサイズを選ぶなど、工夫してみましょう。
2-2.事前に飲む量を決めておく
飲酒行動の抑制のためには、事前に飲む量を設定しておくことも有効です。人付き合いやイベントなどで飲酒をする場合でも、「何杯まで」と決めておき、その量を超えないようにピッチを落としてゆっくり飲むことで、過度な飲酒を抑えることができます。
2-3.飲酒の合間に水を摂る
飲酒の際に水や炭酸水を摂取すると、アルコールの分解を促すとともに、アルコールの吸収速度を遅らせるため、からだへの負担を軽減できます。さらに、アルコール度数を調整し、血中のアルコール濃度を下げることもできます。
また、水分を摂取することで満腹感を得られることも、過度な飲酒を防ぐコツです。
2-4.ノンアルコールを活用する
お酒をノンアルコール飲料に置き換えて、アルコールの総摂取量を減らすのもおすすめです。実際に12週間の期間を設けて行われた実験では、ノンアルコールを摂取したグループが置き換えに成功したというデータもあります(※4)。
ノンアルコール飲料を取り扱う飲食店は増えてきていますので、ぜひ積極的に活用しましょう。
3.それでも飲みすぎたら漢方の力を借りよう
ついお酒を飲みすぎてしまい、二日酔いなどの不調に悩んでいるなら、漢方薬がおすすめです。漢方薬は不調の根本の改善を期待できるため、飲みすぎによる不調にもアプローチできます。
また、漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用のリスクが低いといわれています。
二日酔い対策には「アルコールの代謝をサポートする」「水分バランスの乱れを整えて吐き気やむくみを改善する」「胃腸の機能を回復する」といった漢方薬を選びましょう。
<二日酔いにおすすめの漢方薬>
・五苓散(ごれいさん):水の巡りをよくするとともにバランスを整え、余分な水分を排出し吐き気や頭痛に働きかけます。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):余分なからだの熱を冷まし、暴飲暴食で低下した胃腸機能を整えて、胃炎、嘔吐、のぼせなどに働きかけます。
漢方薬は体質との相性が重要です。漢方に精通した医師や薬剤師に、体質に適した漢方薬を選んでもらいましょう。
もっと気軽に漢方薬を使用するならオンライン漢方薬サービスの「あんしん漢方」がおすすめ。体質診断、漢方薬の提案、アフターフォローまでスマホ1台で完結します。
4.健康に気を配りつつ、お酒はほどほどに
これからの時期は、人付き合いでお酒を飲むことが多くなります。健康リスクを踏まえ、飲酒量に気を配り、きちんと自分のからだをいたわっていきましょう。
【参考文献】
(※1)e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールと循環器疾患」
(※2)国土交通省「飲酒に関する基礎教育資料」
(※3)PLOS Medicine「Impact on wine sales of removing the largest serving size by the glass: An A-B-A reversal trial in 21 pubs, bars, and restaurants in England」
(※4)筑波大学「The First Global Demonstration of Nonalcoholic Beverages Reducing Alcohol Consumption: A Randomized Controlled Trial」
[文:あんしん漢方]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。