第44回ジャパンC(24日/GI、東京芝2400m)には、天皇賞・秋を制したハーツクライ産駒のドウデュース、ディープインパクトのラストクロップ・オーギュストロダン、3歳二冠牝馬のチェルヴィニアなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ダノンベルーガ」を取り上げる。

◆【ジャパンカップ2024予想/追い切り診断】最高評価「S」はドウデュースかチェルヴィニアか 快勝後も「上積み十二分」で文句なしのレベル

■ダノンベルーガ

【中間調整】共同通信杯でジオグリフ以下を完封し圧勝。日本ダービーでは1番人気に推された(結果は4着)ほどの素質馬だ。古馬となっても勝ち鞍こそないものの、強い相手と互角の走りを続けてきた。5歳シーズンの今年もドバイターフで0秒1差3着なら能力に衰えなし。秋初戦の天皇賞・秋はよもやの14着大敗に終わったが、自身最長の7カ月ぶりというブランクと第2コーナーで躓くアクシデントの影響が大きかったか。使われて大きな反動はなかったようで、過去2年5着、6着と惜しい競馬が続いているジャパンCへ3年連続の出走が決まった。

中間は在厩で調整。11月10日に14-14程度ではあるが、坂路3頭併せの初時計を出せており、まずは順調と言ったところだ。1週前はウッドで準オープン馬相手に併せ馬。先行してしっかり折り合い、ラストはややズブく手が動いたものの余力を残して併入とした。

【最終追い切り】レース当週は同じくジャパンCに出走する僚馬シュトルーヴェを追走するウッド併せ馬。最終コーナーで相手が待つ形でペースダウンしたが、ダノンベルーガは仕掛けられてもすんなり加速できず、結局体が並んだのはわずかな間だけだった。さらに負荷を掛けられても伸び切れず、結局2馬身遅れ入線に終わっている。

【見解】1週前追いでやや素軽さに欠けた雰囲気だったが、最終追いもギアを上げるのを諦めたような感があり“あっさり白旗”の遅れ入線。肉体面はまずまずながら、メンタル面がどうにも整っていない印象がある。また、単純に距離適性で言えば2年連続でのドバイターフ好走を見るに1800~2000mがベストの感。3年連続のジャパンC挑戦は高い能力への信頼もあるのだろうが、陣営サイドが“日本ダービー1番人気”の幻影を追っている感も否めない。馬券の対象とするには躊躇してしまう。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。