イタリアがスロバキアを下して11年ぶり5度目の頂点 女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」決勝が11月20日に行われ、イタリアがスロバキアを2勝0敗で破り、2013年以来11年ぶり5度目の…

イタリアがスロバキアを下して11年ぶり5度目の頂点
女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」決勝が11月20日に行われ、イタリアがスロバキアを2勝0敗で破り、2013年以来11年ぶり5度目の頂点に立った。

【動画】イタリア 11年ぶり5度目の優勝の瞬間&優勝決めたパオリーニが監督ガルビンらメンバーと抱擁

昨年準優勝国のイタリアは、世界ランク4位のジャスミン・パオリーニやエリザベッタ・コッチャレット(同53位)、ルシア・ブロンゼッティ(同78位)、マルチナ・トレビザン(同126位)、サラ・エラーニ(ダブルス同8位))というメンバー。初戦となった準々決勝では日本を2勝1敗で下すと、準決勝ではイガ・シフィオンテク(同2位)を擁するポーランドを2勝1敗で破って2年連続の決勝進出を果たした。

この日は準決勝でイギリスを破ったスロバキアと対戦。第1試合でブロンゼッティがビクトリア・フルンカコワ(同238位)を6-2、6-4で下すと、第2試合のシングルスでエースのパオリーニがレベッカ・スラムコワ(同43位)を6-2,6-1で圧倒。2勝0敗でイタリアが5度目の優勝を飾った。

監督を務めた元世界ランク22位のタチアナ・ガルビンは、昨年の準優勝後に100万人に1人の割合で発症する病気「腹膜偽粘液腫」という希少がんが見つかり、手術を行ったことを公表。その後2度目の手術を受けた際には、イタリア選手らが入院中の彼女を見舞った。

その困難も乗り越え、再び監督としてコートに戻り、昨年の忘れ物を取り戻した。「今年ここに来られたことは私にとって贈り物だった。昨年は辛い瞬間だったから。でも、チーム全員の支えがあった。だからこそベンチで勇気を与え、彼女たちをサポートしようと思ったの。それは彼女たちが私にしてくれたことでもあるからね。ここにいることができてとてもうれしい。何度も言うけど選手たちを誇りに思う。素晴らしいチームよ」と万感の思いがあったようだ。

エースとして戦ったパオリーニは、「素晴らしい気分だ。国のため、チームのため、選手のためにプレーするが、裏方で支えてくれるスタッフのためでもある。タチアナにとって昨年は辛い瞬間だったと思う。でも、こうしてトロフィーをもってここにいることがうれしい。大切なことは彼女が元気で、私たちと一緒にいられること。これ(トロフィー)はおまけね」と喜ぶ。

また、自身はグランドスラムで2度決勝に進み、自己最高の4位を記録。男子ではヤニック・シナーが全豪オープンと全米オープンを制して世界1位に輝くなど、イタリア勢が躍進した1年にもなった。「イタリアのテニス界にとって信じられないような1年だったと思う。イタリアのスポーツにとってもいいことだし、テニスの楽しみがたくさんある。大きく成長しているしとてもいいこと。ヤニック(シナー)が世界No.1になったことも素晴らしい。彼はみんなのお手本で、良い人柄よ」と語った。