両リーグMVPは史上2人目、3度目の満票MVPなら史上初となる 全米野球記者協会(BBWAA)が選出するア・ナ両リーグの最優秀選手(MVP)は21日(日本時間22日)、MLBネットワークで発表される。ナ・リーグはドジャース・大谷翔平投手の3…

両リーグMVPは史上2人目、3度目の満票MVPなら史上初となる

 全米野球記者協会(BBWAA)が選出するア・ナ両リーグの最優秀選手(MVP)は21日(日本時間22日)、MLBネットワークで発表される。ナ・リーグはドジャース・大谷翔平投手の3度目の受賞が確実視されている。焦点は3度目の満票選出となるかだ。

 昨年9月に右肘手術した大谷は今季打者に専念。前人未到の「54本塁打&59盗塁」を決めた。3冠王こそならなかったものの、リーグ2位の打率.310をマーク。エンゼルス時代の2021、2023年に続く3度目のMVP受賞、フランク・ロビンソン(1961年レッズ、1966年オリオールズ)以来、史上2人目の両リーグ受賞は確実視されている。

 1973年にア・リーグが指名打者制を導入して以降、DH専任の受賞者は初めてとなる。最大の焦点は満票かどうかだ。気になるのがライバルのフランシスコ・リンドーア(メッツ)が本拠地とするニューヨーク支部が持つ2票の行方だ。記者投票で行う以上、やはり記者の主観が入る。例えばポール・スキーンズ(パイレーツ)が受賞したナ・リーグ新人王では2位のジャクソン・メリル(パドレス)が1位7票を獲得。本拠地のサンディエゴ支部の記者2人はいずれもメリルに投票していた。新人王4位の今永昇太(カブス)も3位4票のうち2票がシカゴ支部の記者だった。いわゆる“地元票”が入りやすいということだ。

 記憶に新しいのが2022年のア・リーグMVP争い。リーグ新62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が1位28票を獲得したのに対して、大谷(エンゼルス)は1位2票。大谷に投じたのはいずれもロサンゼルス支部の記者だった。

 3度目のMVP受賞はバリー・ボンズ(7度)に次いで歴代2位タイとなる。それだけでも喜ばしいことだが、米各地で投票権を持つ記者30人が全て大谷へ1位票を投じるのか。どうせならユニコーンの満票受賞を期待したいものだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)