第41回マイルチャンピオンシップ(17日/GI、京都芝1600m)には、連覇を目指すナミュール、昨年2着で悲願のGIタイトルを狙うソウルラッシュ、欧州トップマイラーのチャリンなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「セリフォス」を取り上げる。

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■セリフォス

【中間調整】3歳春に出走したNHKマイルCで0秒1差4着。そして秋には富士S勝ちをステップに、マイルCS(開催は阪神)も制した。その勢いからするとその後勝ち鞍がないのはやや寂しく感じるところではあるが、今年前半はマイラーズCで2着、稍重馬場に泣いた安田記念で5着と力はそこまで落ちていない。今年秋初戦の富士Sは4着も、主戦・川田騎手が跨っていなかったことを考えれば悪くない滑り出しだったか。

富士Sをステップとして2度目の制覇を狙ってマイルCSに進むのは予定通り。在厩で調整され10月27日に坂路15-15の初時計を出している。1週前追いは中内田師が跨り、CW単走。かなり速いペースを刻んで進んだぶん減速ラップとなる区間もあったが、なんとかラスト1Fを11秒4(強め)でまとめている。5F全体は64秒7で、自己ベストにコンマ1秒まで迫るものだった。

【最終追い切り】レース当週は川田騎手が騎乗しCWで単走。1週前のハードな内容を踏まえ、最終追いは脚慣らし程度で、4Fあたりから時計になる軽い内容消化に留まった。重心がやや上ずり、直線に正対してからの手前変換に鞍上の扶助を要したが、伸びそのものはスムーズだった。それでも全体的に気迫不足な感は否めない。

【見解】昨年は夏負けが尾を引き、ぶっつけでマイルCSに臨まざるを得なかった経緯がある馬。それを考えれば今年は予定通り富士Sを使えていること自体はいい傾向と言える。しかしこの中間の動きはどうにもチグハグだ。富士Sではかなり力んでしまって本領発揮ならなかったが、1週前追いもテンションの高さを引きずっているのか掛かり気味に進み、結果的にオーバーペースの調整となってしまった。今週はその帳尻を合わせるためか、GIの最終追いとすればかなり薄味な内容だったし、動きそのものも首の上げ下げがどうにもぎこちなく、走る方に気持ちが向いていないような印象。体調こそ悪くはないが、勝ち負けの競馬まではどうか。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。