第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会千葉県代表決定戦は、11月3日(日)に東金アリーナで行われた。女子は習志野高がインターハイ、国スポに出場した敬愛学園高をフルセットの末に下し、2年連続17回目の本戦出場を決めた優勝した習志野高。…
第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会千葉県代表決定戦は、11月3日(日)に東金アリーナで行われた。女子は習志野高がインターハイ、国スポに出場した敬愛学園高をフルセットの末に下し、2年連続17回目の本戦出場を決めた
優勝した習志野高。試合後、結束(右から4番目)は右足をつってバランスを崩すほど力を振り絞った
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必勝パターンでエース結束に託す
昨年と同じ決勝のカードは、今季ここまで3度の対戦で一度もセットを奪っていなかった習志野高が、大逆転勝利を収めた。
4本のサービスエースを許した第1セット、そして序盤から6連続失点を喫した第2セットはともにデイフェンスが安定せず。加藤泰監督が「ブロックはきちんとつけていて、抜けてくるコースも分かっていました。想定内でしたが、こちらが焦っていました」と語るように、改善点は明確だった。0-2とあとがなくなると「3年生で試合に出ているメンバーが多い分、絶対に取りきろう」(仲村羽乃花キャプテン)と選手たちは奮い立った。
相手のスパイクを耐えて、絶対的エース結束美南につなぐ。加藤監督が「うちはあのかたちしかないので。エースだけが敬愛(学園高)に勝てる。だったら周りは拾うしかない。周りがつないだ分、彼女(結束)が頑張ってくれた」という気迫あふれる守りに、結束が応えた。「3mは届くと思います」と語る最高到達点からの強打が、後衛からも次々と決まる。第3、第4セットともに25-16と寄せつけず、フルセットに持ち込んだ。
結束にマークが集中したことで、第5セットはほかのスパイカーも生きる。オポジット海老原ゆいのライトからの攻撃も決まると、中盤以降はエースに託した。最後は結束が「足が限界で。どんな1点でもいいから決まってくれ」と祈りを込めながらバックアタック。優勝を告げる笛を聞くと、右足がつり、コートに倒れこみながら喜びをかみ締めた。
優勝を決め、笑顔を見せる習志野高の選手たち
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6月のインターハイ県予選と、2024女子U18女子アジア選手権は同時期に行われた。どちらかにしか出られないなかで、結束は初めての国際大会へ。それは、先を見据えた決断でもあった。
「最後のインターハイ予選ももちろん大事でした。でも、自分と全然違う相手と戦ってみて、どれぐらい通用するのかを知りたかった。うまい人たちの考え方も学んで、それをチームに還元して春高予選を頑張りたいと思っていました」
その成長した姿に、海老原キャプテンは「ほんとうに同じチームで誇らしい。頼りになる存在になって帰ってきてくれました」と感謝する。
38年ぶりに出場した昨年度の春高は、独特の雰囲気にのまれて3回戦敗退。当時はコーチとしてベンチ入りした、就任1年目の加藤監督は「選手がいちばん行きたかった舞台。昨年度の春高が終わった瞬間に、来年も行こうという気持ちを持っていました。思いきり楽しめればと思います」と意気込んだ。絶対的エースとそれを支える頼れるバックが、オレンジコートで躍動する。
敬愛学園高
サーブが緩くなり「無双状態」を止められず
2年ぶりの本戦を目指した敬愛学園高は、勝利まであと1セットが遠かった。
昨年はインターハイベスト4も経験した諸橋未慈キャプテン(敬愛学園高)。思いは後輩たちに託す
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第1セットに4本のサービスエースを決めるなど、サーブで主導権を握ってセットを連取。だが、上原典人監督が「第1、第2セットは相手のミスで自分たちのリズムになっていました」と言うように、サーブが緩んだ第3セット以降は習志野高のペースに。「去年と同じですよね。無双状態にさせてしまった。ああなると厳しい」と結束を止められず、そのエースにマークが集まったところでほかのスパイカーにも得点を許した。指揮官は「3-0で終わらせないといけないゲームでした」と悔やんだ。
サウスポーエースの永盛仁子や、上原監督の娘であるセッターの上原古都奈ら力のある下級生が来年度も残る。それでも、指揮官は「市船(市立船橋高)さんであったり、どこも下級生主体のチーム。うかうかしていられません」と気を引き締めた。
決勝の試合結果
習志野高 3(21-25、21-25、25-16、25-16、15-10)2 敬愛学園高
文・写真/田中風太(編集部)
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