パリ五輪での独創的なパフォーマンスで話題を生んだガン。(C)Getty Images 今夏に“花の都”で開催されたオリンピックで話題を提供したアスリートが、ひとつの決心をした。【画像】ドラマ相次ぐパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェ…
パリ五輪での独創的なパフォーマンスで話題を生んだガン。(C)Getty Images
今夏に“花の都”で開催されたオリンピックで話題を提供したアスリートが、ひとつの決心をした。
【画像】ドラマ相次ぐパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック!
現地時間11月7日、パリ五輪ブレイキン女子のオーストラリア代表だったレイチェル・ガン(ダンサー名レイガン=37、オーストラリア)が競技から引退する意向を明らかにした。彼女の決断を英公共放送『BBC』などが一斉に報じた。
良くも悪くも「時の人」となった。このパリ五輪で大きな注目を集めたブレイキンにおいて、ガンは「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」と5つの要素から採点される同競技での成績は独創的なパフォーマンスを披露。しかし、結果は獲得ポイントゼロの最下位。本人は「芸術的で、創造的でありたい」と胸を張ったが、SNS上で「酔っ払いのようだ」「オリンピックに出るべきじゃなかった」と厳しい批判が噴出。
オーストラリア国内のダンサーからも批判は相次いだ。ブレイキン界のレジェンドであるスパイス氏は「今回のことがオーストラリアのシーンを暗黒時代に押しやったような気がする」と指摘。「オーストラリアのブレイキンだったり、ヒップホップが笑いものになったようなものだよ。そのせいで私たちの多くが傷つくことになった」とガンのパフォーマンスに厳しく意見した。
誹謗中傷も含んだ逆風が引退の決断を早まらせたのかもしれない。オーストラリアのラジオ局『2DayFM』の番組に出演したガンは「まだブレイキン自体はしているけど、競技には出ない。もう出ない……うん、出ない」と吐露。「私は競技を続けるつもりだったが、今となっては戦いに臨むのは本当に難しい」とパリ五輪以降の批判に対する自身の想いを改めて口にした。
「人々が私をどう見るか、そして私がどんな人間であるべきかを、私自身がまったく分からなくなった。競技に出れば、私のパフォーマンスに対する監視のレベルは高くなると思う。みんながそれを撮影して、ネットにアップされると思うとやりきれない。あの大会(パリ五輪)の騒動は本当に動揺するものだった」
代表選考にも疑う声が浮上し、大論争を巻き起こしたガン。彼女の引退はSNS隆盛の時代のアスリートたちを象徴する出来事とも言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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