日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の女子プロテストが終了し、19位タイまで26人のルーキーが誕生した。2日、茨城県の大洗GCで入会式が行われた。ツアー出場優先順位を競うQTで、2019年度から「TP(トーナメントプレーヤー)単年登録」(…
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の女子プロテストが終了し、19位タイまで26人のルーキーが誕生した。2日、茨城県の大洗GCで入会式が行われた。
ツアー出場優先順位を競うQTで、2019年度から「TP(トーナメントプレーヤー)単年登録」(当時のサードQT進出者がツアー登録できる制度)が廃止され、出場資格が「プロテスト合格者」(ツアーのアマチュア優勝者などを含む)に限定された。つまり2つあったルートが1本化され、プロテストの重要性は高まったわけだ。国内女子ツアーでの活躍を夢見る者たちの今年の戦いは、どうだったのか―。
■合格率3.7%
プロテストは1次(6会場)、2次(3会場)、最終の3段階。1次で受験者611人が228人に絞られた。2次は1次通過者に加え、昨年度最終出場者72人、世界ランキング400位以内3人(今年は海外選手のみ)の1次免除者の計303人が出場して96人が突破した。
最終は2次通過者に、2次免除者9人(JGAナショナルチームメンバー5人、24年日本女子アマ優勝者、同日本女子学生優勝者、同ステップアップツアー優勝者2人)を加えた105人が出場し、「20位タイ」の合格ラインを目指して4日間72ホール競技を戦い、通算4オーバー19位タイまでの26人が勝ち抜いた。
1次からの参加者総数695人で、26人。合格率は3.7%だった。
■一発合格は2人
最終に出場した105人のうち、プロテスト初挑戦で合格したのは通算1アンダー11位の福田萌維(めい)とイーブンパー12位タイの加藤麗奈の2人だけ。福田は宮崎・日章学園高3年の18歳、加藤は大阪・ルネサンス大阪高3年の17歳で、ともに“高校生プロ”になる。
■エリートアマチュアは有望だが…
1998年度生まれの黄金世代登場以降、ミレニアム、新世紀、ダイヤモンドなど有力世代が躍進し、ツアーの低年齢化が当たり前となっているが、プロテスト合格者はそうとも言い切れない。10年前の2015年度プロテストはささきしょうこ、木村彩子、岡山絵里ら23人が合格したが、平均年齢は21.4歳。今年は21.1歳だから、ほぼ同じだ。
また“肩書”つきの有力アマチュアでも、プロテストは苦戦を強いられる。今年は2次免除者9人のうち、合格したのはナショナルチームメンバーで23年「日本ジュニア」優勝、同年「日本女子オープン」ローアマの中村心、今年の「日本女子学生」優勝の神谷桃歌、4月のステップアップツアー「大王海運レディス」優勝の都玲華の3人だけ。6月「日本女子アマ」優勝の鳥居さくら、21年「アジアパシフィック女子アマ」優勝の橋本美月、23年「日本女子アマ」優勝の飯島早織ら6人は不合格に終わった。
一方で、2次免除にならなかった22年「日本女子アマ」優勝の寺岡沙弥香、14歳で「全米女子オープン」に出場した山口すず夏、22年「オーガスタナショナル女子アマ」予選通過者の吉田鈴、今年まで3年連続「オーガスタ―」出場の六車日那乃らが複数回の挑戦の末、合格にこぎつけた。
実力がそのまま結果につながらない。年に1度、一発勝負のプロテストは魔物が潜む厳しい舞台なのだろう。