第62回アルゼンチン共和国杯(3日/GII、東京芝2500m)には、4度の骨折を乗り越えて初タイトルを目指す7歳馬クロミナンス、安定した走りを続けるサヴォーナ、末脚一閃のセレシオンなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「マイネルメモリー」を取り上げる。
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■マイネルメモリー
【中間調整】2勝クラス、3勝クラスと連勝。中7週とひと息入れて臨んだ前走・ケフェウスSではスタートいまひとつで後方からとなったが、メンバー最速の末脚を繰り出し5着に食い込んだ。オープンでやれるメドはひとまず立ったと言えるし、持ち前の決め手が活きそうな東京、かつハンデ戦ならGIIの相手関係でも……ということか、僚馬マイネルウィルトスと同じアルゼンチン共和国杯へ進むことが決まった。
放牧からの帰厩後、10月14日に坂路14-14の初時計をマーク。2週前、1週前は予定通り坂路で速い時計を出したが、終いに手が動きラスト1Fも減速ラップに終わっている。
【最終追い切り】レース当週は関東への輸送を控えていることもあり、悪い馬場で無理をさせないことも考慮し坂路で終いだけ重点の内容。フォーム自体はまとまりがあるも、完歩が小さく気持ちの乗りもやや物足りないか。それでも馬なりを最後まで保って走れてはいた。
【見解】暑さの影響か、中7週にしてはやけに本数が少なかった前走時に比べ、中6週の今回は水準の本数を消化できている。しかし肝心の終いの粘りに欠けており、最終追いこそ加速ラップで締めくくれていたが気迫が物足りない。馬場の影響もあっただろうが、気持ちが切れるのが早いような雰囲気。素質は高そうだが、現状ではまだ重賞で勝ち負けできるだけの経験値が足りていないのかも。揉まれて強くなってきそうな感はあり、来年秋ごろの重賞戦線で走ってくるのでは。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。