負ければ終わりの大一番でマウンドに立ったコール(左)。しかし、一塁手リゾー(48番)との連携ミスから思わぬ崩壊をした。(C)Getty Images 間違いなく試合の流れを変えたワンプレーだった。 波紋を呼んだのは、現地時間10月30日に本…
負ければ終わりの大一番でマウンドに立ったコール(左)。しかし、一塁手リゾー(48番)との連携ミスから思わぬ崩壊をした。(C)Getty Images
間違いなく試合の流れを変えたワンプレーだった。
波紋を呼んだのは、現地時間10月30日に本拠地で行われたドジャースとのワールドシリーズ第5戦に先発したヤンキースの先発ゲリット・コールのそれだ。
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序盤3回で5点の大量援護を得た大黒柱は、ドジャース打線に付け入る隙を与えず。熱狂する球場の雰囲気とは裏腹に淡々と投げ進めていた。しかし、5回に投球内容は一変した。
同イニングでアーロン・ジャッジ、アンソニー・ボルピーの失策が重なり無死満塁のピンチを迎えたコール。ここでギャビン・ラックスと大谷翔平を三振に仕留め、2死までこぎつけたベテラン右腕だったが、続くムーキー・ベッツが一塁への平凡なゴロを放った際に、なぜか一塁へのベースカバーに行かず。これが適時内野安打になって1点を返されると、怪腕は途端に崩れていった。
直後にフレディ・フリーマンとテオスカー・ヘルナンデスに適時打を浴び、一挙に5失点。最終的に7回途中まで投げ抜いたコールだったが、彼自身の注意散漫なプレーが逆転負けの呼び水になった感は否めなかった。
現地メディアでも「本当に恥ずかしい」(地元紙『New York Post』)と猛烈な批判を浴びたコール。しかし、なぜ彼はあの瞬間にベースカバーに行かなかったのか。
試合後に「本当に最悪だ。とにかく最悪の気持ちだ」と声を落としたコールは、試合展開を大きく変える形となった自身の守備をこう振り返っている。
「自分から見るとボールに対して角度が悪かった。打球がどれだけ強かったかが分からなかったからカットしようと直接向かっていった。だけど、ボールは僕の横を通り過ぎていった。もうその時には一塁をカバーできる体勢じゃなかったんだ。つまり……なんというか……僕らはボールのスピンを考えた確実に捕球しなければいけない中で、打球の読みも悪かったと思う」
一方で一塁手を務めていたアンソニー・リゾーは「意思疎通に問題があった」と回想。「投手は常に何があろうと一塁をカバーするように教えられている。ただ、あの場面では打球に変則的なスピンがかかっていて、確実に捕る必要があったんだ」と振り返った。
普段ならしないような判断ミスを大舞台でしてしまったコール。「僕らはとにかく前進してきた。それなのに力が及ばなかった。本当に辛い」と肩を落とした大エースはひたすらに自責の念にかられていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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