打者としての才能を指揮官に評価された加藤竜は新たな道で花開けるか(C)産経新聞社 中日は10月29日、4人の支配下選手に戦力外通告を行った。内訳は三好大倫(外野手)、石森大誠(投手)、加藤竜馬(投手)、福島章太(投手)。現在は第2次戦力外通…

打者としての才能を指揮官に評価された加藤竜は新たな道で花開けるか(C)産経新聞社

 中日は10月29日、4人の支配下選手に戦力外通告を行った。内訳は三好大倫(外野手)、石森大誠(投手)、加藤竜馬(投手)、福島章太(投手)。現在は第2次戦力外通告期間中で、主にドラフトの結果を受けてのものと思われる。

【関連記事】中日のドラフトが「球団史上屈指」だと言える理由 未来への転換点となるかも?

■三好への通告で残酷さを思い知る

 この中だとやはり、三好の戦力外は驚きを持って伝えられた。それは今季のドラゴンズが彼からスタートしたからに他ならない。

 2月の初対外試合で特大3ランを放ち、ヤクルトとのシーズン開幕戦では1番打者として自身初の開幕スタメンを飾っていた。持ち前の俊足に加え、しぶとい打撃とセンターを守れる守備を携え、チームの序盤の快進撃をけん引していた。

 ただ、5月以降は戻ってきた岡林勇希にポジションを明け渡し、2軍でも目立った活躍はできず。9月には腰を痛め、秋季キャンプからの合流を目指していた。本人も「びっくり」と話していたように、戦力外の知らせは想像もしていなかったのだろう。改めてプロ野球の残酷さを思い知るばかりである。

■加藤竜の打球速度は「180キロ」

 通告を受けた3人の投手のうち、加藤竜は育成契約への切り替えとなる。驚きだったのは野手への転向だ。

 東邦ガスからドラフト6位で入団するも、今季は1軍登板なし。185センチ100キロの恵まれた体格から放たれる速球は球威があったが、井上一樹新監督は2軍監督として1年間見守ってきた上で、野手としてのポテンシャルに着目。練習では両打ちで長打を連発していたそうで、「180キロ」を計測した打球速度は本物だろう。ちなみに、180キロは大谷翔平(ドジャース)並みの打球速度と言われている。

 右打ちか左打ち、どちらかに専念するとは思うが、練習を人一倍重ねた先にはチーム待望の長距離砲が誕生しているかもしれない。

 プロ入り後に投手から野手に転向した例は多く、井上新監督もそのひとり。4年目の途中に野手転向し、10年目の1999年に自身初の2ケタ本塁打を記録。チームのリーグ制覇に貢献した。現役組では川越誠司が西武時代の2019年に野手転向。強打の外野手として中日ではクリーンアップを任されるシーンもみられた。

 果たして加藤竜は先達のような道を歩めるだろうか。この秋からの動きに注目だ。

[文:尾張はじめ]

【関連記事】金丸夢斗を引き当てた中日は“充実”のA評価 こだわりを見せた巨人とDeNAの指名には“疑問”も【24年ドラフト総括/セ・リーグ編】

【関連記事】中日に帰還? 井上新体制で注目集める在野の有力者でコーチ就任が考えられる「3人」とは

【関連記事】中日退団のビシエドを巡って日韓争奪戦!? “優良さ”に韓国球界からも熱視線 元阪神ロハスJr.ら活躍で「注目は当然」