今週は、秋の長距離戦線を占う名物ハンデキャップ重賞、第62回アルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が東京競馬場で行…

今週は、秋の長距離戦線を占う名物ハンデキャップ重賞、第62回アルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が東京競馬場で行われる。

今年は、日経賞2着、目黒記念3着と重賞で堅実なクロミナンスや、日経新春杯2着のサヴォーナ、新潟記念2着のセレシオン、オープン特別連勝中のショウナンバシット、昨年の当レース2着マイネルウィルトスなど、初重賞制覇を狙う実力馬が集結。

そんな中、重賞初制覇を目指すセレシオンが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■長距離重賞の実績は必須

全12戦中8戦で上がり最速をマークし、鋭い末脚が武器のセレシオン。前走・新潟記念では、後方から32秒8と極限の上がりタイムをマークしてハナ差の2着に好走。東京コースは久々となるが、4勝中3勝を左回りで制しており、直線の長い府中ならベスト舞台と言える。ここでも身上の切れ味を発揮できれば、重賞初制覇の期待は膨らむ。

しかし、今回は芝2500mの距離設定で、先行~中団からの力勝負になりやすく、末脚一辺倒では厳しい戦いとなる。実際、過去10年の脚質別成績を見ても追込馬は【1.1.2.46】と、複勝率はわずか8.0%。

指標となる前走の4コーナー通過位置の馬を見ても、10番手以下だった馬は【2.2.1.53】の成績。3着以内に入った5頭は、すでに芝2400m以上の重賞を勝っている馬か、東京芝2500mの重賞で3着以内の経験があった。長距離重賞で実績がない追込馬は狙いにくいということだ。

■一気の距離延長+斤量増は懸念

加えて、前走2000mから一気の距離延長となる点もマイナス材料。過去10年で距離延長組は【8.7.11.90】と優勢だが、好走した馬のほとんどが、前走2200m~2400mの馬で、前走2000mだった馬は【0.2.2.33】と、勝ち馬は輩出していない。

レース単位で見ても、新潟記念組は【0.0.1.9】とさらに厳しい数字となっており、好走した馬も、前記で示したような、長距離重賞ですでに実績を持っていたタイプ。セレシオンは3歳時の菊花賞11着以来、久々の長距離戦となるだけに、一気の距離延長への対策も求められる。

また、アルゼンチン共和国杯はハンデ戦ながら、重い斤量を背負ったタイプが好走する傾向にあり、重ハンデは気にする必要はない。しかし、前走比で【1.0.1.20】の成績となる、斤量が重くなる馬は好走する確率が低くなる。

前走・新潟記念は56.0キロで2着。好走したとはいえ、2着に敗れていながら、今回は1キロ増の57.0キロを背負うことになり、重賞常連のメンバーと、0.5~1.0キロの恩恵しかない点も懸念材料だ。

前走の上がり3F32秒8は強烈なインパクトだが、新潟では往々にして良く出る数字。芝2500mで同様のパフォーマンスを発揮できるかどうか微妙なところで、脚質や斤量面など、不安材料は大きく、今回のセレシオンは思い切って「消し」でいってみたい。

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