【インタビュー/FINEPLAY】スポーツやアスリートをテーマにしたドキュメンタリー作品を手掛け、映像作家、アクションスポーツジャーナリストとして活躍し、ジャンルを問わず多くのアスリートとも交流を持つフュールメディア株式会社代表梶野仁司(H…

【インタビュー/FINEPLAY】スポーツやアスリートをテーマにしたドキュメンタリー作品を手掛け、映像作家、アクションスポーツジャーナリストとして活躍し、ジャンルを問わず多くのアスリートとも交流を持つフュールメディア株式会社代表梶野仁司(Hitoshi Kajino)に雪山でウィンドサーフィンという世界初のビッグプロジェクト【Stream Mountain】について話を伺った。

—雪山でウィンドサーフィンという世界初のビッグプロジェクト【Stream Mountain】について

梶野:ハワイ行ってウィンドサーフィンを撮って欲しいというクライアントからの依頼があって、撮ったことないし、俺のイメージは鎌倉の海でプカプカ浮いている感じで、調べていくとハワイのマウイが聖地で、すごいと。
写真・映像見たらもうバッコンバッコン飛んでるし、なんじゃこらおもしろいなと。そこで一人目をつけたのがRed Bullアスリートの“リーバイ・サイバー”だったんですね。

向こうで仕事してる時に「日本に来たことあるの?」「結構前に1回だけある」みたいな話から「何か一緒にやろうぜ」と企んでて「雪山でウィンドサーフィンって面白くないか」みたいなこと言ってて、利尻島にいつか行きたいなというのが会社の企画引き出しの中にあるんですよ(笑)。
風が強い利尻島でだったらいけるんじゃないかと。

リーバイは最初、スノーボードにセイル(帆)をつけて、降りてみたいなことを言ってたんですけど、僕は画的に面白くないとかたくなに拒んで。
ちゃんと作りたいという話をしたら、ちょうどリーバイをサポートしているウィンドサーフィンのメーカーの工場がマウイにあって、そこに行って、シェイパーとかもみんなノリノリで「作ろうぜ」みたいな感じで、結局全部作ってくれて。おお本格的みたいな(笑)。

ただこれがいざ雪山を滑れるかどうかは持ってこないと分からないし、下手したら衝撃でバキッと折れるかもしれないし。何があるか分からないから、テストライドしたんですけど、なんも滑れないと。大丈夫これ?みたいな(笑)。
リーバイでテストライドしたら、すっごい滑ったんですよ。割とずっと風や天気待ちしてましたよ。
えっこれ登るの?みたいな。ハァハァなってクソ重たい荷物持って肩とかもパンパンになるし、ヘロヘロですよ(笑)。
僕らもカメラの機材とかも口に加えて凍ったのを溶かしたり、なんじゃこれと。しんどかったです。

でも奇跡的に残り3日位すごく晴れて、そこはちょっと無理して毎日登って「最後ラストスパート」と言って。
普段は自分の現場だから割と口出しするけど、とにかく今回は「輪」を乱さない、盛り上げないと、皆んなストレスなく楽しむじゃないけど、仕事してくれるよう。
チームとしてすごくよかったし、エンディングでリーバイがギター弾いてめっちゃいい感じだったんですよ。

僕が作る作品は、格好つけて言ってるわけじゃなくて、やっぱり「突き刺さる何か」を。アクションスポーツってそこじゃないですか。
もちろんスポーツ全体を見たら、いろんなストーリーがあって作品になり得るんですけど、やっぱりアクションスポーツのいいところというか、「失敗か成功じゃない」、そこはかなり大きく「過程」をしっかり出したいというのは常々思ってる。
あれをもう一回やりたいかと言われたら、ちょっと考えるところですけどね(笑)。