写真提供:Getty Images   「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)のスーパーラウンドの第2戦が日本時間9日に行われ、侍ジャパンンU-18日本代表が4対6でカナダ代表に惜敗。今ラウンドの…

 

写真提供:Getty Images

 

 

 

「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)のスーパーラウンドの第2戦が日本時間9日に行われ、侍ジャパンンU-18日本代表が4対6でカナダ代表に惜敗。今ラウンドの成績が2勝2敗となり、自力での決勝進出の可能性がなくなった。

地元カナダとの対戦。日本はタイブレーク延長戦の末にサヨナラ勝ちしたオーストラリア戦と同じく、3番・安田尚憲(履正社)、4番・清宮幸太郎(早稲田実)を軸としたオーダーで臨み、徳山壮磨(大阪桐蔭)が今大会3度目の先発マウンドに上った。

初回はともに走者を出しながらも無得点。試合は2回に動く。2回表、カナダが先頭打者の四球に内外野の間に落ちる2本のヒットで1死満塁とすると、9番・ブレムナーがセンター前タイムリーを放って2点を先制。日本もその裏、先頭の5番・櫻井周斗(日大三)が四球で出塁すると、1死後に7番・古賀悠斗(福岡大大濠)がヒットでチャンスを広げると、2死1、3塁から9番・西巻賢二(仙台育英)のサードへの当たりを相手守備陣が処理できずにタイムリーヒットとなって1点を返した。

そこから日本は継投に入る。3回途中で先発の徳山から左腕・山下輝(木更津総合)に早々にスイッチ。その山下が3回、4回と無失点で切り抜けたが、5回に2死から満塁のピンチを招いて降板すると、リリーフした3番手・川端健斗(秀岳館)の初球がデッドボールとなって押し出しで1失点。点差は2点に広がった。

4回裏に1死2、3塁の好機を逃した日本だったが、5回裏に主将のひと振りが試合の流れを変える。2死走者なしから4番・清宮がセンターバックスクリーンへ今大会2号、高校通算111号の本塁打を放って1点差。その後の連打から作った2死満塁のチャンスは逃したが、続く6回裏に四球と相手エラーから無死2、3塁のチャンスをもらい、2番・小園海斗(報徳学園)のセカンドゴロエラーの間に同点。さらに安田の併殺打の間に2点目。この回無安打で2点を奪って逆転に成功した。

 しかしそれも束の間、7回表に1死2塁からブルックマンのレフト前タイムリーで同点。その後、振り逃げで2死1、3塁となると、代わった4番手の清水達也(花咲徳栄)がワイルドッピッチ、さらにタイムリーを浴び、この回3失点で4対6と再び2点ビハインドを背負う苦しい展開。その後、日本は田浦文丸(秀岳館)が好投を続けたが、打線が8回裏2死1、3塁のチャンスに4番・清宮がセカンドゴロに倒れると、9回裏も先頭の5番・櫻井周斗(日大三)が出塁するも後続が倒れて無得点。4対6で試合終了となった。

これで日本はスーパーラウンドの勝敗でカナダと2勝2敗で並び、決勝進出のためには明日の韓国戦(日本時間10日午前2時開始予定)に勝利した上で、その後のカナダ対キューバの結果を待つことになった。

■侍ジャパンU-18日本代表・スターティングメンバー
1(右)藤原恭大(大阪桐蔭)
2(遊)小園海斗(報徳学園)
3(三)安田尚憲(履正社)
4(一)清宮幸太郎(早稲田実)
5(左)櫻井周斗(日大三)
6(指)中村奨成(広陵)
7(捕)古賀悠斗(福岡大大濠)
8(中)丸山和郁(前橋育英)
9(二)西巻賢二(仙台育英)
投手・徳山壮磨(大阪桐蔭)

■小枝守監督
--かなり苦しいゲームになったが?
「(得点を)取れるところで取れなかったという部分はあるんですけど、勝ちどころというものが向こうに行ってしまったかな、というゲームでしたね」
--勝ちどころという意味ではどの部分が悔やまれるか?
「僕自身が悔やまれるのは4回の無得点というのが、非常に自分とすれば悔いというよりも、複雑な心境ですね」
--投手陣は総力をつぎ込んでの継投になったが?
「(カナダ打線は)ストレート系に非常に強いという意識が強かったので変化球の多投になったんですが、今一つ制球が定まらなかった。そういう部分は確かにあるんですけど、アンラッキーな部分が非常に多かったゲームだった」
--決勝進出のためには明日の韓国戦で勝つしかなくなったが?
「もう何も考えないで、精一杯みんなでやるしかないと思います。ここで諦めるという必要は何もないので、精一杯向かっていきたいと思います」

■清宮幸太郎(早稲田実)
--ゲームを振り返って?
「チャンスを作ってからの1本が、なかなか出なかったかなというところです」
--試合中ずっと声を出し続けていたが、主将としてどんな気持ちで試合に臨んでいた?
「ここにいるみんなは、こんな点差って言ったらあれですけど、2点差とか3点差とかを今まで跳ね返す試合をやってきたので、ぜんぜん諦める場面はなかったですし、今までと変わらずにやるだけと思っていた。早実にいるときも声を出し続けて逆転してきたので、そのことを思い出して、自分はいつも通りやっただけです」
--個人としては今大会2本目のホームランが出たが?
「逆風だったので獲られちゃうかなと思ったんですけど、芯で捉えてたので入って良かった。でもそれよりも、その後にしっかりみんなで繋いでチャンスをくれた。自分の1本でみんなに火が付いたじゃないですけど、当たり出してくれたのがすごくうれしかったというか、(本塁打を)打って良かったなと思いました」
--その部分では明日に繋がるものもあったのでは?
「はい。今日負けてしまいましたけど、まだ可能性が潰れたわけではない。明日がまだあるので、世界一に望みを繋げるために明日しっかりと勝ち切りたいと思います」
--明日勝ち切るために何が大事になるか?
「この試合にかけていたので気持ち的に落ちてしまう部分が個人個人あるとは思うんですけど、まだ終わってないぞ、と。まだ明日があるんだからしっかり切り替えて、明日やるだけのことをしっかりやろうとみんなに言いたいと思います」