Bリーグ2024-25シーズンは10月3日に行われる群馬クレインサンダーズvs広島ドラゴンフライズの一戦で幕を開ける。日本代表…
Bリーグ2024-25シーズンは10月3日に行われる群馬クレインサンダーズvs広島ドラゴンフライズの一戦で幕を開ける。日本代表選手の移籍や渡邊雄太(千葉ジェッツ)のBリーグ参戦など、盛り上がりを見せたストーブリーグから新天地を選んだ日本人選手をピックアップした。
文=小沼克年
■阿部諒(仙台89ERS→サンロッカーズ渋谷)
2018−19シーズンから所属した島根スサノオマジックでは、脇を固めるロールプレーヤーの印象が強かった。しかし、昨シーズン仙台89ERSへ移籍すると、大学時代を彷彿とさせるスコアリング能力を発揮。自身初のレギュラーシーズン全試合スタメン出場を果たし、これまでの数字を大きく上回る平均14.6得点4.8アシストを挙げて一気にブレークを果たした。
新天地に選んだのは、特別指定選手としてプロキャリアをスタートさせたサンロッカーズ渋谷。7シーズンぶりに帰還したSR渋谷は日本代表経験者も名を連ねるため、スコアラーとボールハンドラーとしてだけでなく、ディフェンス、ハッスルプレーでも流れを変えられるかが問われそうだ。
■今村佳太(琉球ゴールデンキングス→名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
琉球ゴールデンキングスと2025−26シーズンまでの3年契約を結んでいたが、今オフにクラブと双方合意の上で退団を決意。名古屋ダイヤモンドドルフィンズへ活躍の場を移した。4シーズン過ごした琉球では高確率のアウトサイドシュート、果敢なアタックからスコアを重ねエースに君臨。年を追うごとにディフェンスやハンドラーとしての能力もレベルアップさせ、2022−23シーズンのリーグ制覇に大きく貢献した。
名古屋Dでも引き続き得点源を担うことはもちろん、司令塔の齋藤拓実とともに攻撃をクリエイトして厚みを加えたい。そして、最も植え付けなければならないのは優勝への執念。コート内外で自らの経験を還元し、リーダーの1人としてチームを初の栄冠に導くことができるか。
■大倉颯太(千葉ジェッツ→アルバルク東京)
計5シーズンにわたり在籍した千葉ジェッツに別れを告げ、ライバルチームでもあるアルバルク東京へ移籍。学生時代からトップを走り続けてきたスター選手だが、2021年と2022年には立て続けに前十字靭帯断裂の大ケガを負い苦しい日々を過ごしてきた。
ポイントガードとシューティングガードを兼務でき、状況に応じてスコアラーと化すこともあれば、持ち前のバスケットIQを駆使してコート上の監督になることも可能。遂行力が高い、というより“ゲームを支配できる”選手と表現した方がより魅力が伝わるだろう。その能力こそが世代最強プレーヤーたる所以。今シーズンは本来の輝きを取り戻し、A東京に優勝をもたらすはずだ。
■湧川颯斗(滋賀レイクス→三遠ネオフェニックス)
福岡大学附属大濠高校卒業後にプロの舞台に足を踏み入れ、入団1年目からB1を経験。昨シーズンは滋賀レイクスの降格に伴いB2でプレーしたものの、プレーオフを含めた全67試合に出場して滋賀B1復帰、B2優勝の原動力となった。高校時代にはウインターカップ優勝やU19日本代表として「FIBA U19ワールドカップ」も経験。高校3年生のころからポイントガードを主戦場にしており、今後の日本を背負う大型ガードとしても期待が膨らむ逸材だ。
194センチの長身で司令塔の役目も担うが、最大の魅力は力強いペイントアタックからの得点。今シーズンから所属する三遠ネオフェニックスでは、ディフェンス力と3ポイントシュートの精度を向上させ、さらなる飛躍を遂げたい。
■牧隼利(琉球ゴールデンキングス→大阪エヴェッサ)
琉球ゴールデンキングスの生え抜きの1人として、2019−20シーズンから5年間在籍。2024−25シーズンは大阪エヴェッサへの移籍を決断して新たなスタートを切る。攻守において質の高いプレーで貢献するコンボガードで、周りを巻き込む強いリーダーシップも兼ね備える。琉球では主にベンチスタートからの繋ぎ役や流れを変える役目を担っていたが、新天地では今まで以上に主軸として存在感を示したいところ。
再びタッグを組む藤田弘輝ヘッドコーチのもと、闘争心あふれるディフェンスや冷静なゲームメイク、ここ一番での勝負強いシュートといった大車輪の活躍に期待。リーグ優勝を知る貴重な存在として大阪を引っ張り、2度目のチャンピオンシップへと導く。