2024年シーズンWRC第11戦チリは、9月30日(日)に最終日の4SSを走行、トヨタのカッレ・ロバンペラが今季4勝目を獲得した。2位にはチームメイトのエルフィン・エバンス、3位にはヒョンデのオィット・タナックが入り、トヨタは今季5度目の1…

2024年シーズンWRC第11戦チリは、9月30日(日)に最終日の4SSを走行、トヨタのカッレ・ロバンペラが今季4勝目を獲得した。2位にはチームメイトのエルフィン・エバンス、3位にはヒョンデのオィット・タナックが入り、トヨタは今季5度目の1-2フィニッシュを達成した。

この日は前日と同様、拠点となるコンセプシオンから南下したエリアのSSを走行する4SS、54.80km。「Laraquete(18.62km)」と「Bio Bio(8.78km)」の2SSを2度走行する。前日までの総合順位は、首位ロバンペラ、15.1秒差の2番手にエバンス、33秒6差の3番手にタナック、43秒7差の4番手にヌービルという順位だ。



この日最初のSS13、雨は降っていないものの路面は湿っており、標高が上がるにつれて霧も出てくるというコンディション。ここでは前日リタイアを喫した先頭スタートのオジエがベストタイムをマーク。後方スタートで路面状況が悪くなることもあり、手堅く走った上位陣に対し、スーパーサンデーのポイントを獲得すべく果敢な走りを見せた。続くSS14はパワーステージとしても使われる8.78km。路面コンディションはSS13と同様、さらに霧が出ており視界は良くない。オジエはここでも一番時計をマークする力強い走りで着実にマージンを稼ぎ出していく。

続くSS15もコンディションは好転せず。オジエはこのSSも制し、3連続ベストタイムをマーク。1.5秒差のSS2番手にはエバンス、2.2秒差のSS3番手にヌービルが続いた。ここまで上位陣に順位の変動はなく、最終SSを前に、首位ロバンペラと2番手エバンスの差は19.5秒、3番手タナックとの差は41.4秒、4番手ヌービルとの差は57.4秒まで拡大した。このSS15では、総合8番手につけていたヒョンデのエサペッカ・ラッピがフロントセクションにダメージ。SSは走り切ったものの、リタイアを決めている。また、Mスポーツ・フォードのマルティンス・セスクスはフィニッシュ付近でリヤウイングを脱落、最終SSをウイングなしで走らざるを得なくなってしまった。

最終ステージのSS16は、まずWRC3チャンピオンのディエゴ・ドミニゲスからコースイン。続いてWRC2の上位陣がスタートする。WRC2ではシトロエンのヨアン・ロッセルが勝利を挙げ、タイトル獲得に望みを繋いだ。ラリー1勢はオジエからスタート。SS14でマークした自らのベストタイムを17.5秒も縮める渾身の走りで、ベンチマークとなる暫定ベストタイムを刻んだ。表彰台を争う上位陣ではヌービルがまずコースイン。オジエから3.8秒遅れの暫定SS2番手タイムでフィニッシュし、4位以上を確定させた。続くタナックはフロントバンパーを損傷しながらもヌービルのタイムを1.2秒上まわって表彰台フィニッシュを確実なものとした。エバンスは着実な走りでオジエから4.0秒差の暫定SS4番手タイムをマーク、2位以上を手中に収めた。そして上位陣最終走者のロバンペラは、オジエと僅差のスプリットタイムをマークし、最終的に0.1秒及ばずにSS2番手タイムをマーク。笑顔でGRヤリスのルーフに駆け上がり、コ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンと喜びを分かち合った。これでロバンペラは今季4勝目、キャリア通算15勝目を獲得した。



最終SS終了時点での総合順位は変動なくロバンペラ、エバンス、タナック、ヌービル、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーというトップ5。パワーステージはオジエ、ロバンペラ、タナック、ヌービル、エバンスがトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得した。

土曜日までのポイントと日曜日のポイント、そしてパワーステージでのボーナスを合計すると、ウイナーのロバンペラが28点(18点+6点+4点)、2位のエバンスが21ポイント(15点+5点+1点)を獲得。3位のタナックも20ポイント(13点+4点+3点)、4位のヌービルが15ポイント(10点+3点+2点)、スーパーサンデーを制したオジエが12点(0点+7点+5点)を得ている。ドライバーズランキング上位はヌービルが207ポイントで首位、タナックが178ポイントで2番手に、オジエが166ポイントで3番手、エバンスが161ポイントで4番手となっている。マニュファクチャラーズポイントはヒョンデが482点、トヨタが465点、Mスポーツ・フォードが245点となっている。

次戦は10月17日〜20日に開催されるセントラルヨーロピアンラリー。ドイツ、チェコ、オーストリアにまたがって開催されるターマックラリーであり、2023年が初開催。初年度はヒョンデのティエリー・ヌービルが勝利を挙げている。

WRCチリ 最終暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:58:59.8
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +23.4
3. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +43.9
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +1:01.1
5. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:02.7
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:39.7
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:47.7
8. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +8:31.4
9. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +8:48.7
10. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:52.1