チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第1節、モナコvsバルセロナが19日にスタッド・ルイ・ドゥで行われ、ホームのモナコが2-1で勝利した。なお、モナコのFW南野拓実は69分までプレーした。 4試合1失点の堅守を武器にリーグ・アン開…

チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第1節、モナコvsバルセロナが19日にスタッド・ルイ・ドゥで行われ、ホームのモナコが2-1で勝利した。なお、モナコのFW南野拓実は69分までプレーした。

4試合1失点の堅守を武器にリーグ・アン開幕から3勝1分けの好スタートを切ったモナコ。今回のCL初戦ではスペイン屈指の名門をホームで迎え撃った。3-0で完勝した直近のオセール戦では日本代表帰りのコンディションを考慮され、今季初めて途中出場となった南野は予想通りトップ下でスタメンに復帰した。

対するバルセロナはハンジ・フリック新体制でラ・リーガ開幕5連勝と絶好調。直近の試合では昨季シーズンダブルを喫したジローナに4-1で完勝。最高の形でCL初戦を迎えた。そのジローナ戦からは負傷のダニ・オルモに代えてエリック・ガルシアをピボーテで起用した以外、同じメンバーを継続した。

モナコが3-0で完勝した開幕直前のジョアン・ガンペール杯以来の再戦となった今回の一戦。その直近の対戦成績も影響したか、モナコがアグレッシブな入りを見せる。

すると、モナコではCL初出場となる日本代表FWがいきなり決定的な仕事を果たす。10分、バルセロナのビルドアップの局面でペナルティアーク付近まで下りてGKテア・シュテーゲンから足元にパスを受けたエリック・ガルシアに圧力をかけて奪い切った南野がボックス手前で倒されてFKを獲得。さらに、これがDOGSOと判断されると、エリック・ガルシアに決定機阻止でのレッドカードが掲示された。

南野の退場誘発のビッグプレーで数的優位を手にしたモナコは16分、左のヴァンデウソンから大きなサイドチェンジを受けたアクリウシュがDF2枚相手に果敢に仕掛けてボックス内に持ち込むと、ニア下へ得意の左足シュートを突き刺してCLデビュー戦でのゴールとした。

数的優位に早々のリードを手にしたモナコはゲームコントロールに傾くことなく、引き続き前からアグレッシブにプレスをかけつつ、チャンスとみるやサイドバックや3列目の選手が後方から湧き出して厚みある攻撃を仕掛ける。その形からボックス内のエンボロらに際どいシーンが幾度か訪れる。

一方、予想外の厳しい入りとなったバルセロナは防戦一方の戦いを強いられたが、絶好調の17歳FWがチームを救う。28分、カサドからの浮き球のフィードに抜け出したヤマルがDFヴァンデウソンに体を当ててうまく前に出ると、得意のカットインからボックス付近で振り抜いた左足シュートがゴール右下隅を射抜いた。なお、17歳と68日でのCL初ゴールは同僚アンス・ファティに次ぐクラブ史上2番目の年少ゴールとなった。

1-1のイーブンに戻った試合は徐々に拮抗。フィニッシュの数ではホームチームが大きく上回るも、ボール保持率ではほぼ五分に。アウェイチームもヤマル、ハフィーニャの両ウイングの個人技を軸に引っくり返すシーンを見せる。

前半終盤にかけてはモナコが押し込む形を作り出し、南野もボックス内で2度シュートシーンに絡んだが、いずれも相手DFのブロックに阻まれて前半のうちに勝ち越しゴールを奪うことはできなかった。

迎えた後半、モナコはカマラを下げてより攻撃的なゴロビンをハーフタイム明けに投入。前半終盤からの流れを継続する形でホームチームがボールを保持して押し込む展開となるが、バルセロナもより連動した形でカウンターを繰り出して際どい場面を作り出す。

57分にはヴァンデウソンがカットインから鋭い右足シュートをゴール右隅へ飛ばすが、ここはGKテア・シュテーゲンのビッグセーブに遭う。この決定機直後にヒュッター監督はエンボロを下げてイレニーエナを最前線に投入。やや停滞する攻撃にテコ入れを図った。65分には右CKの二次攻撃からボックス左でこぼれに反応した南野が腰の捻りを利かせた左足シュートでゴールに迫るが、相手DFにディフレクトしたボールはわずかにクロスバーの上を越えた。

モナコは69分に南野とベン・セギルを下げてバログン、カイオ・エンヒキを同時投入すると、この交代直後に待望の勝ち越しゴールを奪う。

71分、ヴァンデウソンのハイラインの背後を狙ったフィードに絶妙なタイミングで抜け出したイレニーエナがそのままボックス内に持ち込むと、シュートコースは甘かったものの強烈なシュートでGKテア・シュテーゲンの牙城を破った。

一瞬の隙を突かれて再び追う展開となったバルセロナは80分を過ぎて一気に交代カードを切っていく。レヴァンドフスキやヤマル、ペドリらを下げてフェラン・トーレスやパブロ・トーレに負傷明けのアンス・ファティらをピッチに送り込んだ。

その後、最終盤の攻防ではリスクを冒して攻勢に出たバルセロナに対して、モナコが冷静にリードを維持しながらバログンとイレニーエナの2トップを起点に3点目に迫ったが、テア・シュテーゲンのビッグセーブやバログンのPK取り消しなどの影響もあってトドメは刺し切れず。

それでも、2-1で試合をクローズしたホームチームが6シーズンぶりのCLを白星で飾った。一方、開始直後の退場が響いたバルセロナはジョアン・ガンペール杯に続いてモナコに屈し、公式戦ではハンジ・フリック新体制初黒星となった。

モナコ 2-1 バルセロナ

【モナコ】

マグネス・アクリウシェ(前16)

ジョージ・イレニーエナ(後26)

【バルセロナ】

ラミン・ヤマル(前28)