歴戦の猛者たちがひしめくNBAにおいて、簡単な白星などひとつも存在しない。しかし、選ばれし者は勝利の女神に愛され、勝つための…
歴戦の猛者たちがひしめくNBAにおいて、簡単な白星などひとつも存在しない。しかし、選ばれし者は勝利の女神に愛され、勝つための術を会得している。
『Fadeaway World』は、現役選手のレギュラーシーズンにおける勝率をランキング形式で紹介。以下では“勝者”と形容するにふさわしい選手トップ3を抜粋してお届けする。
■1位:カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
勝率:72.7パーセント(506勝190敗)
レナードのキャリア通算勝率は驚異的で、70パーセントを超えている。現役で7割以上の数値を叩き出すのは、この2度のNBAチャンピオンのみだ。
キャリア3年目にあたる2014年にサンアントニオ・スパーズで優勝を果たしたシーズンの勝率は81.8パーセント。また、キャリアハイの勝率を記録した2015ー16シーズンは83.3パーセントと、5試合に1度以下の敗戦となっており、個人スタッツのプラスマイナスはシーズン合計+653と圧倒的な貢献度の証となっている。
トロント・ラプターズに優勝トロフィーをもたらした2018ー19シーズンは、68.3パーセントの勝率をマーク。また、優勝経験こそないもののロサンゼルス・クリッパーズで過ごした直近4シーズンも平均勝率67.3パーセントを記録しており、この数字は2位以下に続く選手たちを上回るものだ。
依然としてケガが付きまとうレナードだが、群を抜いた影響力は数字が示しているとおり。効率性とリーグでも指折りのディフェンス性能は球団にとってかけがえのない財産であり、レナードがロスターにいる限り、常にその球団は優勝候補にカウントされるといっても過言ではないだろう。
■2位:ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
勝率:66.9パーセント(544勝269敗)
ステフィン・カリーらと共にベイサイドに王朝を築いたグリーンは、自他共に認める球団の魂である。スティーブ・カーHCのシステマチックなムービングバスケットボールに背番号23の存在は不可欠であり、通算66.9パーセントという勝率が存在の重要性を表している。
グリーンは得点をはじめとする直接的なスタッツの派手さこそないものの、難攻不落のオンボールディフェンス、エネルギーに満ち溢れたリーダーシップ、プレイメイキングスキルの3点を高次元で備える。
レナードほど勝率に安定感はないものの、2015ー16シーズンの勝率は90パーセントを超え、プラスマイナスは+1070という4桁の大台に達しており、2016ー17シーズンと2014ー15シーズンも勝率8割を超えており、こちらも共に+800オーバーの数字を叩き出した。
■3位:クレイ・トンプソン(ダラス・マーベリックス)
勝率:66.6パーセント(528勝265敗)
グリーンの勝率に僅差で迫るのが、元スプラッシュ・ブラザーズの片割れである。“元”と表記することに名残惜しさがあるが、トンプソンがデビューから13シーズンを過ごしたウォリアーズの歴史に名を刻んだ選手であることは疑いようがない。
ケガによる長期離脱を除けば、抜群の安定感を誇るトンプソン。キャリア通算平均スタッツは19.6得点、フィールドゴール成功率48.9パーセント、3ポイント成功率41.3パーセントとなっており、アウトサイドの確率が4割を下回ったシーズンはわずか2シーズンしかなく、その2つの事例でさえ38.0パーセント以上をキープしている。また、昨シーズンは心機一転のキッカケとなった不本意な1年となったが、それでもフリースロー成功率でリーグトップの92.7パーセントを記録してみせた。
盟友グリーンと同じく、勝率8割超えのシーズンは3度。キャリアハイは2015ー16シーズンとなり、その年は88.8パーセントの試合に勝利した。新天地となるマーベリックスではルカ・ドンチッチとカイリー・アービングが引するロスターを経験の側面から保管し、オープンスペースからキャッチアンドシュートを放つ姿が容易に想像できる。フロアにおけるスペーシングはマブスが最も欲していた要素のひとつで、リーグの最恐トリオとして猛威を振るうことが期待される。
文=Meiji