「広島2-9巨人」(11日、マツダスタジアム) 広島が悲劇の3連敗となった。これで首位・巨人とは3差に拡大。2点リードの九回に守護神・栗林が逆転を許すなどして、一挙9失点した。 勝利を期待する歓声は徐々に悲鳴へと変わった。2-0の九回から…

 「広島2-9巨人」(11日、マツダスタジアム)

 広島が悲劇の3連敗となった。これで首位・巨人とは3差に拡大。2点リードの九回に守護神・栗林が逆転を許すなどして、一挙9失点した。

 勝利を期待する歓声は徐々に悲鳴へと変わった。2-0の九回から満を持してマウンドに上がった栗林が大誤算だった。先頭からの連続四球と安打で無死満塁のピンチを招くと、吉川に押し出し死球を献上。新井監督が直接マウンドに赴いてナインにゲキを飛ばしたが実らず、岡本和に同点適時打を浴びた。さらにモンテスに押し出し四球を与えたところで右腕は降板となった。後を受けた森浦も流れを止められずに失点を重ね、スタンドでは試合終了を待たずしてショックを隠しきれない様子で帰路に就く鯉党が続出した。

 試合前半はアドゥワとグリフィンの投手戦。均衡を破ったのは広島だった。四回2死から小園がチーム初安打となる右前打を放つと、二盗にも成功。一気に得点圏の好機を迎えると、次打者・堂林が三塁線を破る先制の適時二塁打とした。三塁前のボールがイレギュラーするというラッキーも重なったあたりだったが、重要な一戦で先取点をもぎ取った。

 さらに六回には1死一、三塁から、またしても堂林が左翼への犠飛として追加点を奪った。勝負どころで選手会長の活躍が光った。

 投げては先発・アドゥワが6回2安打無失点の好投。課題の序盤を無失点でしのぐと、勢いに乗った。最終的に無四球で二塁すら踏ませない安定した投球を見せた。

 七、八回はハーンが2戦連続となるイニングまたぎを敢行。力強い球で相手を制圧した。

 しかし、九回にまさかの大誤算。これで9月は2勝7敗となった。6年ぶりのリーグ制覇を目指すチームはさらなる窮地を迎えた。

 試合後、新井監督は「それだけ最後のスリーアウトは難しいと思う。そういう日もあるでしょうと。栗林と言えども」と守護神をかばい、「しっかり切り替えて次の登板に備えてもらいたい」とうなずいた。