「広島1-6巨人」(10日、マツダスタジアム) 勝てば首位再浮上だった広島は、巨人に完敗した。ゲーム差を2に広げられたが、新井貴浩監督(47)は切り替えを強調。巨人戦8連勝中だった森下がKOされての敗戦にも、試合前のミーティングで「魂を込…

 「広島1-6巨人」(10日、マツダスタジアム)

 勝てば首位再浮上だった広島は、巨人に完敗した。ゲーム差を2に広げられたが、新井貴浩監督(47)は切り替えを強調。巨人戦8連勝中だった森下がKOされての敗戦にも、試合前のミーティングで「魂を込めて今日から22試合やってもらいたい」と呼びかけていたように、今カードの勝ち越しに全力を注ぐ。

 敵軍の選手が躍動するたび、本拠地に悲鳴とため息が入り交じった。覇権の行方を左右する首位攻防第1ラウンドは、投打に見せ場なく黒星。会見場に姿を見せた新井監督は「下を向いている暇はないんで。しっかり切り替えて明日、臨みたい」と敗戦を引きずることなく、次戦に目を向けた。

 対戦相手が変わっても、同じような光景が繰り返された。初回1死で森下が坂本に先制ソロを許した。チームが先制点を献上するのは、直近7試合のうち6度目。初回に限れば5度目のことで、大事な直接対決でも先制パンチを食らった。

 二回以降の森下は我慢の投球を続けたが、六回に暗転した。2死から一、二塁のピンチを招き、門脇に左中間への2点敵時二塁打。申告敬遠を挟み一、三塁からは代打・秋広に左前へ運ばれた。ここで新井監督が交代を告げ、5回2/3を7安打4失点。悔しさだけが募った。

 試合前の段階で、森下は21年10月10日から巨人戦は12戦負けなしの8連勝中だった。21年8月24日以来、実に1113日ぶりの巨人戦黒星となったが、指揮官は「またしっかり切り替えて、次の登板に備えてもらいたい」と右腕をかばった。

 打線も菅野の前に五回まで1安打と沈黙し、攻略の突破口を見いだせずに苦戦。「(菅野は)良かったね。全部の球種が低めにコントロールされて、これは本当に相手がナイスピッチングだった」と相手エースの投球に脱帽するしかなかった。

 優勝争いも佳境に入った9月戦線。新井監督はこの日の試合前、ミーティングで全員に語った。

 「みんなの頑張りで今この位置にいて、しびれる戦いが毎日できていると思う。ただ『みんなよく頑張ったね』で絶対に終わらせないぞ。魂を込めて今日からの22試合、やってもらいたい。自分たちのチームは成長途中だと思うし、最強ではないけど最高のチーム。最高のチームメート、みんなとともに最後、倒れながらでも、はいつくばりながらでも、ゴールテープを最初に拾おうや。よし頑張っていこう!」と熱い言葉でナインを鼓舞していた。

 勝負の7連戦初戦を落とし、巨人とのゲーム差は2に広がったが、まず目指すは今カードの勝ち越し。最高のチームが一投一打に魂を込めて、一致団結で勝利をもぎ取る。