五輪の檜舞台で精一杯のパフォーマンスを見せたガン。(C)Getty Images 良くも悪くもパリ五輪のハイライトとなるパフォーマンスだった。 今夏にパリで100年ぶりに開催された夏季五輪。さまざまなアスリートの奮闘がクローズアップ…
五輪の檜舞台で精一杯のパフォーマンスを見せたガン。(C)Getty Images
良くも悪くもパリ五輪のハイライトとなるパフォーマンスだった。
今夏にパリで100年ぶりに開催された夏季五輪。さまざまなアスリートの奮闘がクローズアップされた中で、女子ブレイキンに出場したオーストラリア代表のレイチェル・ガン(ダンサー名:Raygun)が披露したダンス世界的にも波紋を呼んだ。
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ウィットに富んだパフォーマンスではあった。ライバルとの“違い”を生み出すべく「独創性」を重視した彼女は、ゆったりとしたムーブからカンガルーを模した奇抜な動きを披露。だが、パワフルさを欠いた内容は審査員からの評価も高められず……。採点もすべて0点。全体最下位で大会を終えた。
競技後に国外の視聴者から「酔っぱらいのよう」「なぜ五輪にいるんだ?」といった批判が持ち上がったガンには、オーストラリア国内でも批判が集中。5万人を超える署名が入った請願書が政府に提出されるなど代表選出の是非を問う事態となった。
日本でもトレンド入りするなど人々の記憶に残ったのは間違いない。そんなガンは物議を醸していた際の胸中を赤裸々に告白している。母国のニュース討論番組『The Project』に出演した37歳は、「かなり波乱万丈な出来事だったと思うし、あれだけの増悪を受けると、正直言ってキツい時もあった」と打ち明け、代表選出の是非に対する考えを語っている。
「私は2020年と2022年、そして2023年にオーストラリアのBガールによる大会でトップだった。だから記録はある。だけど、バトルでは何が起こるかわからないと知った。ブレイクダンスのコミュニティが批判を受けたことは申し訳なく思うけど、人々がどう反応するかまで私にはコントロールできない」
きっぱりと持論を語ったガンは「世界チャンピオンになるチャンスを得るには、オーストラリアの業界にもう少しオープンな場が必要」と主張。そして、自身のパフォーマンスに対する誹謗中傷を含めた批判に反論している。
「オリンピックのために私は一生懸命にトレーニングした……。本当に身体も心も使ってトレーニングしたんです。でも、それが十分でないとしたら、私は何を言えばいいの? それに批判的な反応の多くはブレイキンや多様性にあまり馴染みがないことに起因しているものだった。
とくに代表選出が陰謀だとする説は酷かったし、本当に腹立たしかった。そういう人たちはブレイキンを理解していない人たちだけではなく、私のパフォーマンスの意味を理解せずに怒っていた人たちもいた」
今後については「私は大丈夫。生き残ります」と笑顔で語った。37歳は、批判にもめげず再出発を誓っている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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