2024年シーズンWRC第10戦アクロポリスは、9月8日(日)に最終日の3SSを走行、ヒョンデのティエリー・ヌービルが今季2勝目を獲得した。2位にはダニ・ソルド、3位にはオィット・タナックが入り、ヒョンデは今季初の1-2-3フィニッシュを達…

2024年シーズンWRC第10戦アクロポリスは、9月8日(日)に最終日の3SSを走行、ヒョンデのティエリー・ヌービルが今季2勝目を獲得した。2位にはダニ・ソルド、3位にはオィット・タナックが入り、ヒョンデは今季初の1-2-3フィニッシュを達成した。

この日は、拠点となるラミアから南下したエリアのSSを走行する。3SS、54.05km。SS13〜SS15のうち、SS14とSS15をリピートで走行し、最終SSのSS15がパワーステージとして行われる。前日までの総合順位は、首位ヌービル、53.7秒差の2番手にソルド、1分20秒9差の3番手にオジエ、3分19秒2差の4番手にタナック、5番手以降はサミ・パヤリを先頭にラリー2が続くオーダーだ。

この日最初のSS13は17.47km。ここではオジエがベストタイムをマークし、スーパーサンデーのポイント獲得に向けて順調なスタートを見せる。一方、総合2番手につけていたソルドは、前日のタイヤトラブルを繰り返さぬよう、完走ペースに切り替えた走りでSS7番手タイム。これでふたりの順位は入れ替わり、総合2番手にオジエ、総合3番手にソルドというオーダーとなった。SS2番手にはヌービル、SS3番手にタナックとヒョンデ勢が続いた。



18.29kmのSS14は、SS15のパワーステージとしても使われるSSだ。オジエはここでも一番時計をたたき出す快走で、スーパーサンデー制覇に向けて着々とマージンを積み重ねていく。SS2番手にはタナックとトヨタのエルフィン・エバンスが同タイムで続き、勝田貴元がSS4番手タイムをマークしている。

最終ステージのSS15は、まずWRC2部門の上位陣がコースイン。クラス2番手のロベルト・ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)に対して28.5秒のリードを築いていたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、まさかのパンク。リードをすべて吐き出し、合計タイムでなんとビルベスと同タイムでのフィニッシュとなった。規定上、SS1を制したパヤリがウイナーとなり、シーズン3勝目を達成している。

ラリー1勢は勝田からスタート。慎重に11分9秒7でフィニッシュした勝田に続いてコースインしたMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーが10分43秒8をマークし、これが暫定ベストに。その後にコースインしたトヨタのエルフィン・エバンス、Mスポーツ・フォードのジョルダン・セルデリディスともタイム更新はならず。総合4番手のタナックは、フルモーと1.0秒差の暫定SS2番手タイムでフィニッシュ。これで4位以上を確定させた。続いてコースインしたのはオジエ。しかしオジエはわずか1.6km地点で横転を喫してストップ。GRヤリス・ラリー1ハイブリッドはルーフを下にして止まり、これでオジエの表彰台獲得の可能性は断たれてしまった。続くソルドは暫定SS5番手タイム、上位陣最終走者のヌービルはSS4番手タイムでフィニッシュし、今シーズン2勝目、通算21勝目を獲得。フィニッシュ地点ではi20Nラリー1ハイブリッドのルーフに駆け上がり、コ・ドライバーのマルティン・ウィダグとともに、何度も拳を天に突き上げた。

一方のオジエは横転したGRヤリスを起こし、再びフィニッシュを目指して走行を開始。外板やエアロパーツにダメージはあるものの、トップのフルモーから22分59秒4遅れのSS50番手で完走を果たした。狙っていたスーパーサンデーのポイントを得ることはできなかったが、土曜日までの13ポイントを手中に収めるべく、すべてのステージを走り切った。

これで最終SS終了時点での総合順位はヌービル、ソルド、タナックというトップ3。パワーステージはフルモー、タナック、エバンス、ヌービル、勝田がトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得した。ドライバーズランキング上位はヌービルが192ポイントで首位、タナックが158ポイントで2番手に。オジエが154ポイントで3番手。続いてエバンスが140ポイントで4番手という並びとなった。マニュファクチャラーズポイントは、ヒョンデが445点、トヨタが410点、Mスポーツ・フォードが226点となっている。



次戦は9月26日〜30日に開催されるチリ。WRC唯一の南米ラウンドであり、太平洋沿岸の都市コンセプシオンを拠点とするグラベルラリーだ。昨年はタナック(Mスポーツ・フォードに在籍)が勝利を挙げている。

WRCアクロポリス 最終暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 3:38:04.2
2. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +1:36.8
3. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +2:57.3
4. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:01.1
5. R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:01.1
6. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +7:31.9
7. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:54.0
8. F.ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:27.9
9. J.マクリーン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +12:27.2
10. R.ダプラ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +13:44.9