高校球児たちのあこがれの舞台である甲子園。酷暑対策は万全を期してほしい(C)産経新聞社 猛暑の夏が終わっても、夏の甲子園大会を巡る議論の高まりは、収束の気配すら見せません。 大会を主催する朝日新聞社や日本高野連にとって近年の課題は、…

高校球児たちのあこがれの舞台である甲子園。酷暑対策は万全を期してほしい(C)産経新聞社

 猛暑の夏が終わっても、夏の甲子園大会を巡る議論の高まりは、収束の気配すら見せません。

 大会を主催する朝日新聞社や日本高野連にとって近年の課題は、地球温暖化に伴う暑さ対策になっています。昨夏からのクーリングタイムの導入や、今大会の開幕から3日間で導入された「朝夕2部制」など、「高校野球の聖地」甲子園球場で夏休みを利用して、持続可能な大会運営ができるのか、様々な試行錯誤がなされているのが現状です。

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 スポーツメディアの関係者は言います。

「普段は野球を見ない学者や評論家が『ドーム球場を使えばいい』と、訳知り顔で発言して、それがネットニュースになっていますが、彼ら彼女らが高校野球について言及するのは夏の甲子園大会期間中のみ。あとはそんなに関心がないでしょう。しかし高校球児や指導者は1年中、甲子園に立つことを夢見て厳しい練習を行っている。そして選手のほとんどが、ドーム球場ではなく、暑くてもいいから甲子園球場で試合をやることを望んでいるんです」

 そして、こう続けるのです。

「だからこそ運営側は『どうすれば甲子園でやれるのか』という難しい課題について取り組まざるを得ない。何も知らない世間の人たちは『もっと現場の声を聞け!』とか言ってますけど、運営サイドはアンケートなどでしっかり聞いていますよ(笑)。京セラドーム大阪を併用すれば、一気に解決できますけども、『甲子園でやりたい』という球児たちの意見を無視できないんです」

 現在、台湾で開催中のU18アジア選手権は7回制で行われています。高校野球を7回制にして、朝夕の2部制にすれば、真夏の甲子園で1日4試合行うことは物理的に可能です。

「この『高校野球7回制』についても、高校球児たちに反対の声が根強く、早期の導入は困難との話も聞きます。『8回、9回の終盤の攻防こそ野球の醍醐味』『7回制なら少年野球と変わらない』といった声も現場からは寄せられている模様で、7回制を即採用とはいかないようです。それでも運営側が『7回制を検討』というインパクトは強い。本気度が伝わってきますからね」

 今後も夏のさらなる酷暑は避けられない状況です。球児の夢か、安心安全な大会運営か。この二つを実現するための方策を、さらに求めていくことになります。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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