8月30日〜9月1日に英国ウェールズのアベリストウィズを拠点に開催されたERC第7戦ラリーケレディギイオン(グラベル)では、オペルのワークスチームからティモ・シュルツ/ミハエル・ウェンツェル組(ドイツ)とカッレ・カールベルグ(スウェーデン)…

8月30日〜9月1日に英国ウェールズのアベリストウィズを拠点に開催されたERC第7戦ラリーケレディギイオン(グラベル)では、オペルのワークスチームからティモ・シュルツ/ミハエル・ウェンツェル組(ドイツ)とカッレ・カールベルグ(スウェーデン)/ヨルゲン・エリクセン(ノルウェー)組がオペル・コルサ・ラリー4でジュニアERCに参戦。カールベルグはタイトル争いに絡み、シュルツはこのイベントを部門3位でフィニッシュしてポディウムに上がった。

ふたりは、オペルが展開する若手育成プログラムからステップアップしたドライバー。このイベントに帯同していたオペルモータースポーツのディレクター、ヨルグ・シュロットと、プログラムでチームマネージャーを務めるマンフレッド・ストールに、オペルでの新人育成について聞いた。ストールは自身もWRCをはじめ幅広い参戦経験を持つほか、自身が率いるストールレーシングでは多彩なカテゴリーのラリーカーで参戦するなど新しい試みに積極的に取り組み続けている。

──オペルはカスタマープログラムを組んでいるのですか?
ヨルグ・シュロット(JS):そのとおり。ベースレベルは、ドイツでのADACオペル・ラリー・エレクトリック・ラリーカップとなる。完全な電動ラリーカーでワンメイクカップを開催しているマニュファクチャラーは、オペルだけだ。2021年に始まって4シーズン目を迎えているが、内燃機関のラリーカーと同じように電動ラリーカーがうまく機能していることを証明している。このプログラムにより、才能ある若手ドライバーのプロモーションを行っている。





──ステップアップはどのように進むのですか?
JS:エレクトリック・ラリーカップで優勝すれば、自動的にマンフレッド(ストール)が運営するワークスチームからジュニアERCに参戦する権利を獲得できる。新進気鋭の若手クルーにとって、マンフレッドから多くを学ぶ機会となるし、プロフェッショナルチームから参戦することによってラリーにおいて成長するきっかけを与えることができる。若手ドライバーの国際的なキャリアにとって、とても有効なプログラムだと考えている。

ADACオペル・ラリー・エレクトリック・ラリーカップ公式サイト
https://www.opel-motorsport.com/en/racing-series/adac-opel-e-rally-cup





──才能あるドライバーは、どのようにしてキャリアを重ねていくのでしょうか?
JS:オペルは、ステランティスグループの一員で、同じグループのシトロエンはWRC2プログラムを運営している。才能がありとても優れた結果を残したドライバーは、WRC2へのステップアップも可能になる。現在、カッレ(カールベルグ)がとても良いリザルトを残しているので、次へのステップアップを検討中だ。これが我々のカスタマーレーシングプログラムの概要だ。

──エレクトリック・ラリーカップへのセレクションはどのように行っているのですか?
JS:このラリーカップは各国のASNと密接に協力しており、フランスのFFSAやベルギーのRACB、ドイツのADACも協力している。彼らのアカデミープログラムで若手を推薦してもらい、それぞれの団体が彼らのスポンサーとなってこのラリーカップに出場する。

──マンフレッド、カップには年齢制限はありますか?
マンフレッド・ストール:28歳までを対象にしている。エレクトリック・ラリーカップは5カ国で8戦を開催しており、今年は15台がエントリーしている。昨年、このカップで優勝したカッレは、現在24歳だ。ラリー4で出場しているジュニアERCでも、タイトルを争い善戦した。
(Keiko Ito)