昨年、マツダスタジアムのお立ち台では「最高です!」を連発する鈴木誠也選手のヒーローインタビューが大いに盛り上がり、…
昨年、マツダスタジアムのお立ち台では「最高です!」を連発する鈴木誠也選手のヒーローインタビューが大いに盛り上がり、緒方孝市監督が鈴木を評した”神ってる”はその年の流行語大賞にもなった。
そして、今年もある人物の登場により、マツダスタジアムのお立ち台は時として昨年に劣らぬアトラクションと化す場合がある。その人物とは、通称「クーちゃん」として親しまれるヘンディ・クレート球団通訳(33歳)。クレート通訳は、実は背番号115を持つブルペンキャッチャーでもあるのだが、今やサビエル・バティスタ選手(現在は二軍)のヒーローインタビューですっかり人気者になってしまった。彼の発するカタコト通訳が一生懸命で、とても愛嬌があるため、一種のショータイムとなっているのだ。
そんな彼の素顔を知りたくて、お立ち台でないところでじっくり話を聞いてみることにした。

カープでの日々と将来の夢を語ってくれたクレートさん
──テレビ番組みたいな質問でスミマセン。youは何しに日本へ来たのですか?
「ドミニカのカープアカデミーからブルペンキャッチャーの求人募集がありました。それに応募しましたのが、きっかけです。」
──それは完全なる裏方として?
「あの〜、プレーヤーじゃなかった。でも裏方でがんばりたい気持ちドンドンありました」
──クレートさんは、もともと野球をやっていたのですか?
「はい。子供のころからずっとキャッチャーをやっていました。打撃ではパワーがあったけど、それ以外はまあまあ(笑)……だけど守備でのリード面はゼッタイ自信ありました」
──ご家族はいるのでしょうか?
「ドミニカに妻と子供2人がいます。だから、シーズンオフにしか会えません」
──ブルペンキャッチャーとして日本に来たということですが、一番苦労したことは?
「日本語は、そんなに困らなかったです。う〜んと、すごく苦労したのは練習時間です。 いっぱい、たくさん長かったです!」
──日本に来るまでは、そんなに長い練習はしてなかったんですか?
「カープアカデミーはそんなに練習、長くなかった。朝9時半に始まって、長くても午後2時には終わっていました。それでも、きつかったです! はい」
──ブルペンキャッチャーとして印象に残った投手はいましたか?
「右ではマエケン(前田健太)、左なら齊藤悠葵(ゆうき)。2人のストレートは武器でした。まるで夢を見ている感じでした。だけど、悲〜しいのは、黒田さん。あの黒田さんの球を一度でもいいから、え〜と、受けてみたかった……」
──日本に来てから、親切にしてくれた恩人はいますか?
「今はカープにいないけど、相澤寿聡君(あいざわ としあき・元投手)、そして山中達也君(やまなか たつや・元投手)の2人。なかでもいちばん日本語を教わったのは相澤君です。お食事もジャンジャンお誘ってもらいました。今でも感謝します!」
──ブルペンキャッチャーだったクレートさんが、球団通訳になったきっかけは?
「去年、ドミニカのカープアカデミーからピッチャーが来たとき、彼にアドバイスしてたら、気づいたら通訳が本業になっていました(笑)。英語もしゃべれるけど、やっぱりスペイン語の方が得意なんです」
──現在は通訳以外にも、ほかの裏方の仕事を手伝ったりしているんですか?
「ブルペンはしっかりキャンプで入ります。だけど、シーズン中は試合前のキャッチャーの練習をしっかり手伝います!」
──試合前の練習では外野で球拾いもしていましたよね。通訳以外にもやることがたくさんあるんですね。
「まあ〜、とにかく日本だから。カープだから。100パーセント慣れるしかないです(笑)」
──広島にいる時は、いつも何時くらいに起きるんですか?
「ナイターの日だと、だいたい10時くらいに起きて、球場入りは11時くらいです」
──クレートさんが日本に来て、いちばんハッピーだと感じたことは?
「花火! ドミニカにも花火はあるけど、宮島(水中花火大会)みたいなのはありません。う〜んと、神宮球場での5回裏の花火もいいね! とにかく日本の花火は心が100パーセントたくさん豊かになりますね」
──好きな食べ物は何ですか?
「牛丼と焼肉ですね。カープの寮で出てくる牛丼は花火と同じぐらい最高なんです。 焼肉はハラミが好き。お酒は飲まないけど、お菓子ではピーナッツとアーモンドが好き。うーんと、あとケーキも好きなんだけど……たくさん太ります(笑)」
──今シーズンはバティスタ選手の、お立ち台ヒーローインタビューが大反響になっていますが、ご本人はどう感じていますか?
「相澤君や山中君に教えてもらったおかげで、コメント力には自信がたくさんあります。でも、いざヒーローインタビューの通訳となると、とても難しい。今でも緊張してしまいます。え〜と、ある程度インタビュー内容を予測してしっかり考えるのですが、とっさの判断がいるので(日本語での)表現とか日本語の順番など大変です。だけど正解はわかりませんが、選手の個性を大事にして、ありのままを伝えたいと思います」
──バティスタ選手の魅力をひと言で表現すると?
「パワーですね!」
──アレハンドロ・メヒア選手も伸びてきていますね。
「今まであまりチャンスがなかったんですが、彼はアベレージヒッターです。今もウエスタンリーグでは打率トップですし」
──クレートさん自身の、今後の夢や目標はありますか?
「指導者になりたい! でも日本じゃない。ドミニカで」
──その理由は?
「まず、第一に家族のためです。そして、日本で学んだノウハウを生かして、メジャーリーグやカープに魅力ある選手をちゃんと送りたいというのが夢です」
──今後のカープの戦いで、クレートさんが”ココを見てくれ!”というのはありますか?
「うーんと、鈴木誠也はケガしてしまったけど、チームみんなの力でゼッタイに日本シリーズまで行ってくれると思います。だから100パーセント期待してください! 本日のインタビューありがとうございました。失礼します」