近年はなるべくレースを絞って使ってくる傾向があるので、コーナーを4回まわる中距離重賞は貴重な存在になっている。実際、このレースも2020年からソダシ、ジオグリフ、ドゥーラと3年連続でクラシックの主役級を送り出している注目の2歳重賞だ。仕…

 近年はなるべくレースを絞って使ってくる傾向があるので、コーナーを4回まわる中距離重賞は貴重な存在になっている。実際、このレースも2020年からソダシ、ジオグリフ、ドゥーラと3年連続でクラシックの主役級を送り出している注目の2歳重賞だ。仕上がりの早さはもちろんだが、将来性も重視したい。

 ◎ファイアンクランツは札幌競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。好スタートを切るも、行きたい馬を行かせての3番手。前に馬を置きながらしっかりと折り合い、4角手前から持ったままで先頭に並びかけると、そのまま後続の追撃を封じ込めた。デビュー戦らしからぬ大人びた内容だった。ハーツクライ産駒の母はJRA3勝馬で新潟2歳Sは2番人気5着。ドゥラメンテとの配合でサンデーサイレンス3×3とトニービン4×4のクロスを得ており、注目したい1頭だ。

 〇アスクシュタインはコスモス賞優勝馬。好スタートからやや力みながらもすんなりとハナを奪うと、半マイル49秒8のスローペースに持ち込み、そのまま後半4ハロンをすべて11秒台でまとめて後続を7馬身突き放した。母ヴィクトリアズワイルドキャットは米重賞勝ち馬で、エイコーンS4着馬。逃げなくても競馬が出来そうだが、この距離コースを経験しているのは心強い。

 ▲マテンロウサンは札幌競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。芝が傷み始めた第2回開催1週目。前の2頭が引っ張り、中盤が速くなるタフなラップを離れた3番手で追走。勝負どころの3〜4角で差をつけると最後は外から力でねじ伏せた。本馬は米国産馬だが、母はダイワメジャー産駒の重賞4勝馬。長く良い脚を使えるあたりにコース適性の高さがうかがえる。

 △マジックサンズは函館競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。開催後半で時計が極端にかかる時期だったので勝ちタイムは平凡だが、追い上げて2着馬を突き放した内容に見どころがあった。大型馬ゆえに実戦を経験した上積みも期待できそうだ。

 追って味がありそうな△アルマヴェローチェ、前走の内容が良かった△ショウナンマクベス、そしてまだ子供っぽさを残すものの△トップオンザヒルのレースぶりにも注目したい。