今夏は全国でゲリラ豪雨が相次いでいる。今月21日には東京23区で1時間100mm超の雨が降り、道路や地下鉄構内が冠水する被害が出た。こういった“異常気象”は競馬にも影響。25日の新潟最終レースは、史上初めて落雷の可能性を考慮して取り止め…

 今夏は全国でゲリラ豪雨が相次いでいる。今月21日には東京23区で1時間100mm超の雨が降り、道路や地下鉄構内が冠水する被害が出た。こういった“異常気象”は競馬にも影響。25日の新潟最終レースは、史上初めて落雷の可能性を考慮して取り止めとなった。では、このような悪天候や災害のとき、競馬開催の可否は誰が決定しているのだろうか。

 JRAによると、最終判断を下しているのは競馬の公正かつ円滑に施行を行う開催執務委員のトップである開催委員長が担当。日本中央競馬会競馬施行規程にもその権限として、「競馬又は競走を取りやめ、又は中止することができる」との記載があり、競馬開催について知り尽くしたスペシャリストが決定権を握っている。

 開催可否の判断にあたり、出走する人馬の安全はもちろんのこと、来場するファンのことも考えなければいけない。考慮しているのは公共交通機関の運行状況なども含まれる。降水量や風速、警報の発令など開催可否の目安はあるものの、馬場や施設の状態など、あらゆる状況を総合的に判断しているとのことだった。ちなみに気象情報については、競馬場地区に焦点を絞った情報を取得することで、状況の把握に努める。

 開催委員長制度を設け、競馬実施の最高責任者としての職務権限を定めたのが1956年9月1日。詳細は不明と前置きしつつも、そのころから現在の根幹となる仕組みが作られたものと推察される。そこから約70年。培った経験と知見を生かし、競馬の安全をきょうも守り続けている。

 今週は台風の動きが気になる一週間になっているが、日本はいつどこで災害が起こっても不思議ではない。毎日、各地で行われている競馬が無事終えられるよう願うばかりだ。