今回のパリ五輪では選手村の食事面もクローズアップされた(C)Getty Images 熱戦をくり広げたパリ五輪においては選手村の食事事情も大きくクローズアップされた。 地産地消をうたい、地元の食材を多く使ったビーガン食などが多く提供…

今回のパリ五輪では選手村の食事面もクローズアップされた(C)Getty Images

 熱戦をくり広げたパリ五輪においては選手村の食事事情も大きくクローズアップされた。

 地産地消をうたい、地元の食材を多く使ったビーガン食などが多く提供される一方で、良質なたんぱく質を求めるアスリートの間からは「肉が足りない」など不満の声も漏れた。

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 そんな中、英国の文化・政治経済ニュースサイトを取り扱う『Hyphen Online』では「パリ2024がハラール食品で金メダルを獲得」と題した記事を掲載。

 その中では五輪期間中にイスラム教徒のアスリートたちが夢中になった選手村のハラール料理として「ハラールビーフのレーズンソテー」「チキンタジンとオリーブ」「ターキーとココナッツカレー」などが紹介されている。

 一部の選手には不評だった選手村の食事だが、イスラム教徒の人々が安心して食べられるハラール食品においては満足のいく内容だったことが伝えられている。

 イスラム教では生活全般において戒律があり、食べ物に関しても「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」が細かく決まっている。

 全面的に禁じられているのは、豚肉とアルコール。豚から派生したすべてのもの、および豚と接触した食品もすべて禁忌とされている中、食べてよいものを「ハラール食品」と呼ぶ。

 同記事によると、今回のパリ五輪の選手村の料理は「フレンチ」「ワールド」「アジア」「アフリカ・カリビアン」と大きく4つのテーマに分けられており、さらに「ハラール」「グルテンフリー」など様々なアスリートの栄養ニーズを満たしたとされる。

 また、同記事の中ではイギリスのボート選手で2012年のロンドン五輪から4大会連続出場しているモハメド・スビヒが過去の選手村の食事事情を振り返っている。

 スビヒは「オリンピックの主催者はできるだけ多くの国に対応しようとしている」としながら、目を向けたのは東京大会のレベルの高さだった。

 「東京にはアラビア語でハラールと明記された巨大なセクションがありました。ハラールフードを欲しがるイスラム教徒のアスリートはそのセクションに行くことができました」とした上で、"人気の品"についても語った。  

 「パラタがとても良かった。とても素晴らしかったのでほぼ毎日食べていました」として、同食品はほかのイギリスチームの選手たちも競うように食べていたと伝えた。

 パラタとはインド発祥のパンであり、小麦粉で作った生地を薄く伸ばし、ギーといわれるバターを溶かした上澄みを塗って折りたたむもの。サクサクとした食感が特徴とされる。

 ほかにもスビヒによると東京五輪選手村の巨大なハラールコーナーには「ハラール食品が多く備えられ、希望すればアメリカンバーガーを手に入れることができた。多くの異なる料理を提供してくれて、いろんな食べ物を入手しやすい素晴らしい環境だったよ」と絶賛した。

 東京五輪の選手村食事においては、日本料理を始めとした世界各国の料理に対応。おにぎりやお好み焼き、カレー、餃子など日本人にとっても日頃からなじみの深い食品も提供され、各国アスリートから評価を高めた。

 今回のパリ五輪選手村の食事においては様々な課題もアスリートから提示されたとあって、今後の大会でも食事面は引き続き、注目されそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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