パリ五輪では選手村の”不備”が話題を呼んだが、ロス五輪ではどのように改善されるだろうか(C)Getty Images 様々な話題を呼んだパリ五輪は、環境への負荷を減らすことを目的として、使い捨てプラスチックの使用禁止、100%再生可能エネル…

パリ五輪では選手村の”不備”が話題を呼んだが、ロス五輪ではどのように改善されるだろうか(C)Getty Images

 様々な話題を呼んだパリ五輪は、環境への負荷を減らすことを目的として、使い捨てプラスチックの使用禁止、100%再生可能エネルギーによる運営など、新たな試みが行われた。「サステナブルなオリンピックの実現」という壮大なテーマが掲げられたパリ大会は、開催中、競技会場のコンディションや選手の生活環境などもフォーカスされるなど、競技以外のニュースも注目を集めることとなった。

【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック

 そして、すでに幕を閉じたパリ五輪のコンセプトは、4年後のロサンゼルス大会でも引き継がれるものと、英メディア『inside the games』が伝えている。

 パリ大会ではCO2など廃棄物の排出ゼロを目指し、選手、関係者は電気自動車で、そして観客は公共交通手機関が主な移動手段となった。同メディアでは、「ロサンゼルス2028は、“挑戦”をさらに倍増させ、車のない、渋滞のないオリンピックを目指している」と言及。続けて、「1984年にすでにオリンピックを開催した米国の都市にとって、他の手段で移動することが難しいとされており、高速道路がほぼアイデンティティの一部となっているため、これはさらに野心的な挑戦である」としている。

 その交通環境については、ロサンゼルスのカレン・バス市長が「私たちはそのために交通システムを構築してきた」として、「渋滞のない」大会実現への意欲を示したことも紹介。実現のために「アメリカ国内から3000台以上のバスを借りる必要がある」と指摘したという。

 また、ロサンゼルスがパリ五輪から踏襲するもう一つのポイントとして、同メディアは「都市を完全な舞台と見なすこと」と綴っており、「パリでは、オリンピック会場を超えて、エッフェル塔やベルサイユ宮殿、セーヌ川までがスポーツイベントに組み込まれていた」と振り返る。

 その上で、2028年ロサンゼルス大会の組織委員会のケイシー・ワッサーマン会長のコメントを掲載。「私たちにはエッフェル塔はないが、ハリウッド・サインはある。私たちには素晴らしい会場、素晴らしい地理的条件があり、それを証明するつもりだ」などと語っていたという。

 今回のトピックでは他にも、「市長が取り組まなければならないもう一つの課題は、ロサンゼルスのホームレス問題だ。ホームレスの数は7万5500人に上る」とも記されており、すでに始まっている「次の4年間」への懸念も示している。

 今回のパリ五輪から発せられたメッセージが、ロスではどのような形で具現化されるのだろうか。いずれにしても、オリンピックが少しずつ新たな方向へと向かい始めていることは間違いないようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】金メダルも“劣化”? デンマーク選手が東京五輪との比較動画を公開して波紋「東京のメダルは輝きを失っていない」【パリ五輪】

【関連記事】「偽のメダルだ」海外紙も“衝撃劣化”に皮肉「最初はイカした見た目だった」米国選手の告白で広がった波紋【パリ五輪事件簿】

【関連記事】「日本人の組織力は無敵だ」選手村の”不備”を伊競泳選手が東京五輪と比較して異論「フランスは何かおかしい」【パリ五輪】