樋口も過去に計量オーバーを経験している(C)Getty Images わずか100グラムの超過で失格処分を受け、その後、引退を発表したた女子レスリング選手、ビネシュ・フォガト(インド)をめぐって同情が高まっている。 【関連記事】「…
樋口も過去に計量オーバーを経験している(C)Getty Images
わずか100グラムの超過で失格処分を受け、その後、引退を発表したた女子レスリング選手、ビネシュ・フォガト(インド)をめぐって同情が高まっている。
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1回戦で日本の須崎優衣を破り大金星をあげたビネシュはその後も勝ち進み、決勝まで駒を進めた。しかし現地時間8月7日に行われた50キロ級決勝に臨む当日、わずか100グラムの超過で失格。その後、前日の晩に体重が2キロ超過していたこと、髪を切り、サウナに入り、採血まで行い、壮絶な減量に取り組んでいたことも話題を集めた。
失格後に自身のXで「私の勇気もすっかり折れてしまいました。もうこれ以上の力はありません」とリオ五輪から3大会連続で代表として出場するなど、長く取り組んできたレスリングからの引退を表明したのだ。
そうした中でインド国内からは「減量失敗」という事実を受けて、ビネシュ本人、また支える陣営に対しても厳しい目が向けられていると伝えられた。
そんな失意のビネシュに寄り添う姿勢を鮮明に示したのは今大会の男子レスリングフリースタイル57キロ級で見事、金メダルを獲得した樋口黎だった。
自身も勝ち抜けば代表入りが決まる直前のアジア予選で、わずか50グラムの計量超過に泣き、東京五輪出場を逃した。
自身のXを更新し、その中で英文で「あなたの苦しみは私が一番理解しています。同様に50グラムでした。周りの声を気にしないでください。人生は続きます。挫折から立ち上がるのは最も美しいことです。ゆっくり休んでください」とエールを送っている。
アスリート仲間として相手を思いやる心からの言葉にビネシュの母国であるインドメディアからも称賛の声が相次いでいる。
インドメディア『India Today』では、「ヒグチほどビネシュの苦悩を理解し、彼女が経験したことを理解できる人はいないだろう」と報じ、『The Indian Express』でも「日本のヒグチがビネシュに支援の手を差し伸べる」と大きく取り上げている。
記事の中では「50グラム超過で東京五輪予選失格という過去の失望を乗り越えたヒグチは、見事な復活を遂げている」と今大会の活躍ぶりを称えた上で、「勝利後にビネシュとの連帯を示し、困難に直面している彼女にサポートを提供した」と樋口の優しさをたたえている。
ビネシュは今回の失格処分を不服としており、銀メダル授与を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴している。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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