大会の象徴ともなったセーヌ川での競技開催だったが、その評価は最悪だ。(C)Getty Images 汚染に対する懸念を疑わざるを得ない一報が飛び込んだ。現地時間8月11日、フランスのラジオ局『RMC Sport』は、8日にセーヌ川で行われた…

大会の象徴ともなったセーヌ川での競技開催だったが、その評価は最悪だ。(C)Getty Images

 汚染に対する懸念を疑わざるを得ない一報が飛び込んだ。現地時間8月11日、フランスのラジオ局『RMC Sport』は、8日にセーヌ川で行われたパリ五輪の女子10キロオープンウォータースイミング(OWS)で、出場したドイツ人選手3名が体調を崩したと報じた。

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 大会前から水質汚染が問題視されてきたセーヌ川。雨天による状態悪化が懸念された中で、大会組織委員会は「水質の基準値を下回った」とゴーサインを出し、トライアスロンとOWSの2競技を強行的に開催していた。

 ただ、大会期間中も大腸菌などの細菌濃度が依然として高いと報じられるなど、セーヌ川の水質汚染の不安は拭いきれず。実際に競技に参加した選手や各国メディアで不満の声が噴出していた。

 8日の女子OWSで体調を崩したドイツ人選手3名の直接的な原因は明確にはなっていない。しかし、独オリンピックスポーツ連盟は「倒れた3名のうち2名はすでに回復している」と報告した上で「全員が競技の翌日から吐き気や嘔吐、下痢のため治療を受けた」と公表。残る1名も命に別条はないとしながら、チームドクターによって今も治療を受けている段階だという。

 この報告に対して『RMC Sport』は「セーヌ川の水質状況についてはオリンピックが終わっても議論が続くだろう」と指摘。さらに今回体調不良を訴えたうちの一人と見られるレオニー・ベックが自身のインスタグラムで「昨日は9回も嘔吐し、下痢もした。セーヌ川の水質は証明された」と皮肉いっぱいの投稿を行っていることを伝えている。

 大会後は継続して水質改善を図りながら、セーヌ川で市民の遊泳開放も図るというパリ市。しかし、その道のりは現時点で一筋縄ではいかなそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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