森の果敢な攻める姿勢は感動を呼んだ(C)Getty Images 現地時間8月10日に行われたパリ五輪、スポーツクライミング女子の複合決勝で、日本の森秋彩(もり・あい)は135・1点で4位となり、惜しくもメダルを逃がした。 また第1…

森の果敢な攻める姿勢は感動を呼んだ(C)Getty Images

 現地時間8月10日に行われたパリ五輪、スポーツクライミング女子の複合決勝で、日本の森秋彩(もり・あい)は135・1点で4位となり、惜しくもメダルを逃がした。

 また第1課題最初のホールドが高すぎて届かず、0点に終わったことも大きく注目を集めている。

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 154センチの森は第1課題最初のホールドに対し何度も助走をつけて、壁を駆け上ったが、手が届かず落下を繰り返した。結局制限時間中にのぼることができず0点に終わった。

 その後、第3課題を完登するも「ボルダー」では全8選手中、7位と出遅れた。

 しかしここから圧巻のパフォーマンスを見せる。本人も得意と認める「リード」では俊敏な動きでぐんぐんと上を目指し、ゴールに迫り、「完登」目前まで迫り、観客も総立ちとなった。

 他選手を圧倒したが結果的には、第1課題の「0点」が響いたことでこれには日本のネット上でも意見が噴出した。

 「出た、森イジメ」「途中で泣きそうになった」「ルートセッターの基準は?」など、出場選手中、最も低身長だった森に関して同情の声が高まった。

 さらに海外ファンも議論に参戦。X上では主催者やルートセッターに対して「森がいじめられている」「不可能な課題をこなしている」と猛クレームを付けるなど、異例の事態となっている。

 一方で海外の選手と戦うことで体格差は当初から予想されていたことでもあり、「ルートセッターも相当悩んだのではないか」「ダンクできないからリング下げろと同じ」など欧米の"森いじめ"ではないという声も上がるなど、まさに議論が沸騰している。

 出場した森は試合後のインタビューで「まずは目標にしていたリードでトップ(ホールド)をとることができなかったのは悔しい」としながら、「(ボルダーで)得意なスラーブを登れず、なるべくしてなった成績だと思うので、素直に受け入れようと思います」と前向きに結果を受け止めた。

 15歳で出場した2019年の世界選手権で銅メダルを獲得。一躍、脚光を浴びるも前回の東京五輪は大会直前に国際連盟が選考基準を変更したことで、出場が叶わず。1度競技から離れる時期もあったという。

 挫折を乗り越え、初出場となった五輪の場でしっかりと爪痕を残した若きクライマー。今後の活躍も楽しみとしたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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