競泳で好成績を収めきれなかった日本。(C)Getty Images まもなく終幕を迎えるパリ五輪。“花の都”で100年ぶりに開催された一大イベントで、日本勢は大会序盤からメダルラッシュを展開した。 各競技で勢いを感じさせた日本。現地時間8月…

競泳で好成績を収めきれなかった日本。(C)Getty Images

 まもなく終幕を迎えるパリ五輪。“花の都”で100年ぶりに開催された一大イベントで、日本勢は大会序盤からメダルラッシュを展開した。

 各競技で勢いを感じさせた日本。現地時間8月10日時点で16個の金メダルを含む37のメダル(銀メダル8個、銅メダル13個)を手にしている。歴代最多となる58個のメダルを獲得した3年前の東京五輪からは数こそ減らしたが、全体4位は好成績と言えよう。

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 そうしたメダルラッシュの中で、寂しさが否めなかったのが、“お家芸”とも言われた競泳だ。すでに8月4日で全日程を終了しているのだが、メダルを手にしたのは、男子400m個人メドレーで2位に入った松下知之だけ。米国や中国、さらに地元フランスとの競争に敗れた感は否めない。

 ライバルとのハイレベルな競争が期待された日本の沈黙は、海外メディアでも小さくない話題となっている。米水泳競技の専門誌『SWIMMING WORLD』は「3年前、開催国でありながら日本は水泳でわずか3つのメダルしか獲得できず、大いに失望をもたらしたが、今回はさらに悪い結果となり、彼らが手にしたのは水泳競技全105個のメダルのうちのわずかひとつだった」と低迷ぶりを伝えた。

 さらに「彼らのパリでの苦戦を強調する統計として、男子は7人、女子は3人しか個人種目の決勝に進出できなかった。これは非常に深刻な結果だ」と論じた同誌は「実際のところ、日本が今夏に大きな成果を上げることは期待されていなかったものの、それでももう少し良い成績を期待されており、複数のメダルを獲得できるのではないかとの希望があった」と嘆く。

 目に見える結果を残せずに苦心する日本競泳界。長く続いている低迷ぶりを酷評する同誌は「日本は大きな岐路に立っている」と断言。そして、今後に向け、悲観的な見解を示している。

「直近2回の五輪での成績は、2000年以降で最悪であり、11個のメダルを獲得した2012年ロンドン大会のレベルには遠く及ばない。かつて北島康介が支配した平泳ぎや、入江陵介が一貫して活躍した背泳ぎのような、強力な武器が今の日本にはない」

「日本が希望を取り戻せるかどうかは大きな疑問だ。開催国になった国は、その大会でパフォーマンスが向上し、次の大会にもその勢いを引き継いでいくものである。今回のパリでは、その理想形がフランスに持ち込まれ、レオン・マルシャンが中心となって強力なパフォーマンスを発揮した同国は、4年後にも良い流れを持ち込むことができそうだ」

 次回のロサンゼルス五輪は2028年。ホスト国となる米国を筆頭に各国が今以上に競争力を高めるのは必至だ。そうした中で日本が遅れを取らないためには、同誌が「それができなければ、『日出ずる国』の競泳界は、このまま沈んでいく」と言うように優れた人材発見が肝となる。今大会の“失敗”を次の4年にどう活かされるかは興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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