ツシシビリに蹴りを入れられるリネール。(C)Getty Images 前代未聞の光景に衝撃が広まった。 現地時間8月2日、パリ五輪・男子柔道100キロ超級の準々決勝が行なわれ、絶対王者のテディ・リネール(フランス)がグラム・ツシシビ…

ツシシビリに蹴りを入れられるリネール。(C)Getty Images

 前代未聞の光景に衝撃が広まった。

 現地時間8月2日、パリ五輪・男子柔道100キロ超級の準々決勝が行なわれ、絶対王者のテディ・リネール(フランス)がグラム・ツシシビリ(ジョージア)と対戦。実力者同士の対決となった一戦は、前者が勝利した。

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 王者の快勝に沸く会場が騒然となったのは、決着がついた直後だった。しばらく覆いかぶさったままだったリネールは相手の襟から手を離さず。すると、身体を離す際に、相手のツシシビリがグッと蹴り上げ、勢いで寝転んだリネールに顔を近づけ何やら言葉を掛けると、続けざまにキックを食らわせたのだ。

 両手を挙げ、「何もやっていない」とアピールしたリネールは右腕を突き上げ、会場を煽る。それを挑発と受け取ったツシシビリは再び相手に詰め寄ると、会場からは大ブーイングが起きた。

 結局、試合はリネールの一本勝ちから、ツシシビリの「反則負け」に変更。最後は歩み寄り、軽いタッチこそ交わした両者だった、両拳を握り締めたツシシビリは握手を頑として拒否。その行為に会場はさらにヒートアップした。

 後味の悪い形で終結を見た猛者同士の対決。地元メディアでは、当然、勝者を蹴り上げたツシシビリに厳しい意見が飛んだ。地元紙『Le Parisien』は「柔道は敬意というものが規律の一環として根付いているスポーツだ。それを考えれば、一連の態度は明らかに問題だ」と愕然。「ツシシビリは勝負と相手の態度に納得がいかなかったにせよ、やるべきではなかった」と伝えた。

 完全アウェーの状況で、フランスの絶対王者とヒートアップしたツシシビリ。その行動がキッカケとなり、「失格」となった彼は直後の敗者復活戦への出場も認められず。悔いが残る形となった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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