8月2日の17時(日本時間3日0時)からリヨンで行われることになった準々決勝。U-23日本代表にとってスペインという相…
8月2日の17時(日本時間3日0時)からリヨンで行われることになった準々決勝。U-23日本代表にとってスペインという相手は難敵以外の何物でもない。
「一番やりたくない相手」とグループリーグMVPとも言える守護神・小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)もイスラエル戦後、報道陣に語ったと伝えられる通り、スペインとはもっと上のステージで対峙したかったというのが大岩剛監督や選手たちの本音だろう。
直近のエジプト戦は第2戦のドミニカ共和国戦から先発を10人変更。メンバーを落とした影響もあったためか、まさかの苦杯を喫したが、スペインの陣容自体は豪華だ。オーバーエージ(OA)枠にファン・ミランダ(ベティス)、セルヒオ・ゴメス(マンチェスターC)、アベル・ルイス(ブラガ)の3人が名を連ねているうえ、直近のユーロ2024に参戦したパウ・クバルシ、東京五輪を経験しているエリック・ガルシア(ともにバルセロナ)らがいて、実績・経験ともに大会随一と言っていい。
ボール支配力やチャンスクリエイト力は優勝候補と目されるフランス、アルゼンチン同等かそれ以上という評価もある。日本としては17日のフランス戦(トゥーロン)のような守勢を強いられる可能性が高い。次からは延長・PKもあるため、とにかくタフに粘り強く戦わなければいけない。
■勝利のために必要なこと
実際、東京五輪でも準決勝は延長戦までもつれ込み、マルコ・アセンシオ(PSG)の一発を食らってメダルを逃している。一瞬でも気を抜いたらやられるということをまずは肝に銘じておいた方がいい。
今回の日本にとって条件的にも厳しい。中2日でナントからリヨンへの移動を強いられるからだ。猛暑のナントよりリヨンはやや気温が低いと見られるが、キックオフ時間が17時。これまで19時・21時の試合を戦ってきた彼らにとってはより過酷な環境下になるのは確かだ。
さらに言うと、負傷中の平河悠(ブリストル)と川崎颯太(京都)の出場が微妙なことも不安要素。特に平河の局面打開力は攻撃の大きなポイントとなるだけに、彼が使えなければ戦い方のバリエーションは減る。斉藤光毅(ロンメル)や三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、佐藤恵允(ブレーメン)といったドリブラーはいるものの、平河は単なる突破だけでなく、フィニッシュのパンチ力も兼ね備えている。そのストロングを使えないのはキツいが、ピッチに立てる戦力で乗り切るしかない。
スペインに勝とうと思うなら、2022年カタールワールドカップで日本代表が見せたようなアグレッシブな戦いが必須。時間帯によっては一歩的にボールを持たれ、攻め込まれるかもしれないが、まずは失点を防いで相手を焦らすことが肝要だ。
今回の日本には小久保がいるため、かなりの高い確率で決定機を阻止できる。そのアドバンテージを生かしつつ、鋭いカウンターやリスタートを繰り出していくべきだ。
■東京世代のリベンジ
攻めのタクトを振るうのはやはりキャプテン・藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)。彼のスルーパスからほとんどのチャンスが生まれていることを考えると、どれだけ彼にボールを集められるかが重要ポイント。そこに斉藤や細谷真大(柏)らが呼応してくれれば、ゴールチャンスは作れるはずだ。
セットプレーではキッカーの山本理仁(シントトロイデン)、荒木遼太郎(FC東京)、ターゲットとなる木村誠二(鳥栖)あたりがキーマンになりそうだ。拮抗した試合はリスタートが勝負を分ける傾向が強い。しかも大岩ジャパンの場合、これまでの全得点の3分の1をセットプレーから奪っている。そのストロングをこの大一番で遺憾なく発揮できれば準決勝進出にもグッと近づくはずだ。
いずれにしても、スペインを倒さない限り、悲願のメダルには手が届かない。東京世代のリベンジを果たすことができれば、日本サッカーの歴史も変わるだろう。千載一遇のチャンスを逃す手はない。
(取材・文/元川悦子)