ドイツはエースのグロゼルを中心に日本にプレッシャーをかけ続けた(C)Getty Images 7月27日、バレーボール男子日本代表(世界ランク2位)がパリ五輪のグループステージでドイツ代表(同11位)との初戦に臨み、セットカウント2…

ドイツはエースのグロゼルを中心に日本にプレッシャーをかけ続けた(C)Getty Images

 7月27日、バレーボール男子日本代表(世界ランク2位)がパリ五輪のグループステージでドイツ代表(同11位)との初戦に臨み、セットカウント2-3(17-25、25-23、25-20、28-30、12-15)で敗れた。

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 両チームとも、大会初戦からまさに死闘を演じた。第1セット、ドイツがベテランのゲオルク・グロゼルを中心にポイントを重ね、序盤から日本をリード。日本はドイツの高さに苦しみこのセットを落とした。

 その後は日本が巻き返しに転じる。第2セットも中盤まで接戦となるも、エース石川祐希のスパイクや西田有志のブロックなどで主導権を握り、このセットは日本が制した。続く3セット目も中盤から日本がドイツを引き離し連取。

 日本が初戦勝利に王手をかけて迎えた第4セットでは、さらに白熱の攻防が繰り広げられた。ドイツは得意の高さを生かし、日本は繋ぎのバレーで互いに譲らず、終盤まで僅差の展開が続いた。先にセットポイントを握られた日本は宮浦健人のポイントで並び、高橋藍も勝負ところでスパイクを決め、追いすがる。だが、最終盤で2度、日本の得点と思われたプレーがチャレンジによって判定が覆るなど、ドイツも執念を見せた。そして、最後は30-28でドイツがこのセットを奪い返し、勝負は最終セットへ。

 勢いに乗ったドイツは第5セットも序盤からリードし、先に15点を挙げ日本を振り切った。この試合を通じて、24得点をマークした39歳のグロゼルの存在感が光り、世界ランクでは格上にあたる日本を退けた。

 五輪初戦で勝利を挙げたドイツに対し、母国のスポーツメディア『Sportschau』からも賛辞が贈られている。ドイツチームの勝利を「オリンピック開幕戦の日本戦でサプライズを起こした」と報じている他、大接戦となった第4セットの展開には「両チームとも中盤まで2点以上のリードを奪えなかった」と振り返っている。

 さらに同メディアは、「ドイツのバレーボール選手たちが、パリ・オリンピックの開幕戦で、優勝候補の一角を打ち破った」と綴るなど、今回の勝利を大々的に伝えた。

 52年振りのメダル獲得を目指す日本にとって初戦のこの結果は、痛い黒星となったことは間違いない。歓喜を起こしたドイツはマッチポイントを握られた場面でも、冷静さと力強さを失わず、必死に食らいつきながら最後は試合をひっくり返した。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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