24試合終了時点で約2週間の中断期間に入っているJ1。その間の過ごし方はチームによってまちまちだ。 勝ち点44の3位に…

 24試合終了時点で約2週間の中断期間に入っているJ1。その間の過ごし方はチームによってまちまちだ。

 勝ち点44の3位につけている鹿島アントラーズは24日、三笘薫を擁するブライトンと親善試合を消化。イングランド・プレミアリーグの強豪クラブと対峙することで、自分たちの実力を図る好機に恵まれた。

「私にとっては親善試合は存在しない。負けていい試合はない」とランコ・ポポヴィッチ監督は前日に発言。彼らはリーグ戦を戦っているフルメンバーで挑むと見られた。が、今回は名古新太郎がベンチスタートで、知念慶と濃野公人がベンチ外。濃野は三笘とのマッチアップが注目されていたが、体調不良で欠場を余儀なくされたと見られる。

 そこでスタメン入りしたのが、須貝英大、三竿健斗土居聖真といった面々。特に須貝は三笘封じの大役を担っていただけに、その一挙手一投足が注目された。

 けれども、鹿島は普段のJリーグのようなハイプレスからのボール奪取を見せられず、瞬く間にブライトンに主導権を握られた。

「Jリーグだと、正直、プレスに行かなくてもセンターバック(CB)からあんまりいいボールは出ない。だけど、今回は予想してないようなタテパスとかサイドチェンジが飛んでくる。ああなるとプレッシャー行ったら、必ず自分の後ろにいるボランチを使われて、ボランチが食いついたら、その背後のスペースにFWが入ってくるっていう形になる。

 昔、レアル(・マドリード)とやったことがあって衝撃は覚えますけど、世界のサッカーはとんでもないスピードで成長してるなっていうのをすごく差を感じましたね」と最前線のエース・鈴木優磨も脱帽していた。

■「あそこまでボコボコにやられたら楽しい」

 その流れから前半のうちに1点を失うと、後半突入後は12分間で立て続けに3点を奪われた。相手は三笘やダニー・ヴェルベックやジェイムズ・ミルナーらビッグネームが45分で下がり、ピッチに立っていたのは10代の若手中心。彼らは出番をつかむため、凄まじいモチベーションでぶつかってきていた。その気迫に押され、鹿島の守備が崩壊。終わってみれば1-5の大敗を喫してしまったのだ。

 三笘とマッチアップした須貝がまずまず奮闘し、同サイドの師岡柊生も守備面で献身的にカバーに入るなど、好材料も多少なりとは見られたが、最高峰リーグクラブとの厳然たる実力差は認めざるを得なかった。

「世界のトップリーグでやってるチームは考えながらサッカーをやっている。まずビルドアップでウチのFWが1人食いつくのを待って、食いついた瞬間に中から3人目のフリーマンがスペースを使って前進してきていた。それに対してどう守備をするかっていうのは、中で話しながらやってたけど、彼らは立ち位置が抜群で、距離感もいいので、ミスも起こらない。これが今の世界のスタンダードなんだなっていうのは、やりながら感じました」と今夏、ベルギーから戻ってきたばかりの三竿も質の違いを痛感していた。

「あそこまでボコボコにやられたら楽しいっすよ」と鈴木優磨は冗談交じりに苦笑した。だが、鹿島としては、このまま足踏み状態を続けているわけにはいかない。

■世界における立ち位置

 前半戦の主力である佐野海舟が去り、垣田裕暉(柏)と松村優太(東京V)、土居聖真(山形)も移籍。さらにチャヴリッチも負傷離脱してしまった。夏の移籍期間は8月21日まで開いているため、新戦力が加入する可能性もあるが、現有戦力の底上げはマスト。まだコンディションが上がり切っていない三竿が復調し、国際経験の乏しい師岡らがより精度を高めていくこと、今後のが躍進のカギになるだろう。

 世界における立ち位置を1人1人が肌感覚でつかんだことは大きな意味がある。1-5という屈辱的惨敗を確実に今後に生かすことが大切なのだ。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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